TOP > 連載コラム > トシ中山の「渾身の一撃」 > 第230回コラム「将来への道筋」

第230回コラム「将来への道筋」

7月は、日本アクアスロン選手権、中学アクアスロン選手権、日本ジュニア選手権、全国中学生大会。
夏休みが近づくと共に日本の明日を担うジュニア選手たちが活躍するレースが開催されてゆく。
そして夏休みの終わりが近づく8月23日には福島県いわき市で高校生選手権、夏休み明けの9月13日は真岡市でオールキッズ大会が開催される。

トライアスロンにおけるキッズ・ジュニア世代の競技人口は多いとは言えない。
ジュニア選手の指導者が少ない、練習できる環境が少ない、使用する機材が高額である、そして中学・高校には部活動として存在しない(1校を除く)。
同じ競技をする友達も少なければ、経済的な負担も大きい。
また競技そのものが持久的な運動のため、身体が十分に成長していない中でのトレーニングには細心の注意が必要なことも課題点だ。

過去を振り返っても小学生・中学生世代に活躍した選手がエリートで活躍するケースは多いとは言えない。
理由は様々であるが環境がないことが大きな理由と言える。
だからこそ正しい指導と将来に向けた計画が必要だ。
TRIJ(トライアスロンジャパン)はFTEMという成長に準じた強化計画を作成し、それに準じた実践を行っているが、多くの場合で保護者に依存している。
また全国にキッズやジュニアの強化を図るクラブチームも存在するが、その数は少ない。
そもそもFTEMは頂点を目指す選手用に作られた道案内図。
その道だけがトライアスロンの全てではない。

将来に夢と希望を持つ選手たちにどのような道を示してあげられるのか。
真剣に考え、行動に移してゆかなければトライアスロンの未来は拓けてゆけない。
どのように興味をもってもらい、どのように楽しんでもらい、どのように戦う道を選んでもらえるよう方向を示すべきか。
少子化時代を迎える中であらゆるスポーツにおける大きなテーマだ。

このような状況下においてもエイジ・エリートとして社会人になっても競技を継続する選手は少なくない。
社会人になってからトライアスロンを始めるケースも少なくない。
エイジ選手のためのシリーズ戦が行われるようになり、エイジ選手にとっても活躍の場が示されたことは理由の一つだろう。
それぞれの年齢別のカテゴリーがあり、同世代で競い合えることは、生涯スポーツとして取り組もうとする選手たちにとっては競技へのモチベーションを刺激する理由になっていると感じている。
エイジ選手に向けての競技普及&強化の取り組みは、現在も発展中であり、更に良い方向へ進んでゆくと感じている。

だが世界を目指す選手にとっての将来像は非常に厳しい。
キッズ・ジュニア選手にとって夢ともいえるオリンピックや世界選手権でのメダル獲得への道筋は不明瞭だ。
一生懸命に頑張るだけでは到達不可能な道のりだ。
選手本人の心構えが最も重要であるが、個人の力だけで目指せるものではない。
どうしたら競技環境が整った学校へ進学できるのか、どうしたら就職後もトライアスロンを最優先とした生活ができるのか。
残念ながらトライアスロンは、サッカーや野球のようにトップ選手になれば巨額の収入を手にすることができるスポーツではない。
それでもジュニア選手たちが大きな夢をもって挑戦するスポーツになって欲しい。

この道をゆけば どうなるものか
危ぶむなかれ 危ぶめば道はなし
踏み出せば その一足が道となり その一足が道となる
迷わず行けよ 行けばわかるさ

 

【写真1】
第28回 日本ジュニア選手権・長良川大会。
日本の歴史作ってきた大会のひとつだが暑さには勝てず2026年は距離を短縮して開催。
距離がどうであれ選手たちの戦いは更に熱かった。

2026長良川スタート風景

 

 

 

 

 

 

 

 

【写真2】
ジュニア選手権・男子は内田煌乃亮(1位)、西崎大貴(2位)、高橋駿介(3位)。
3名ともキッズ時代からトライアスロンに取り組む純正トライアスリート。
新たな時代を作れるか、期待は大きい。

2026長良川ジュニア男子表彰3名

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【写真3】
大会後に開催されるU15(中学生)合宿。
仲間と共に学び、仲間と共にトレーニングをする。
楽しさの中で厳しさを学ぶ。

2026長良川合宿3

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【写真4】
被害に遭われた皆様に心よりお見舞い申し上げます。
写真は2024年、復旧過程の熊本城。

熊本2024_3
 

 

 

 

 

 

 

 

中山俊行プロフィール


中山 俊行(なかやま としゆき)

1962年生まれ
日本にトライアスロンが初めて紹介された18歳のときトライアスロンを始める。
日本人プロ第1号として、引退までの間、長年に渡りトップ選手として活躍。
引退後も全日本ナショナルチーム監督、チームNTT監督を歴任するなど、日本のトライアスロン界をその黎明期からリードし続けてきた「ミスタートライアスロン」。

【主な戦績など】
第1回、第2回 宮古島トライアスロン優勝
第1回、第2回 天草国際トライアスロン優勝
1989年から8年連続ITU世界選手権日本代表
アイアンマン世界選手権(ハワイ・コナ)最高順位17位(日本歴代2位)
初代・全日本ナショナルチーム監督
元・チームNTT監督
元・明治大学体育会自転車部監督
第32回オリンピック競技大会(2020/東京)トライアスロン日本チーム監督

Copyright © 2015 Neo System Co., LTD. All Rights Reserved.