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第228回コラム「次世代チームの真価を問う」

5月16日はWTCS横浜が開催、5月31日はAC大阪。
ワールドランキング・ポイント対象大会が国内で2レース行われた。
ランキングを上げるためには重要な大会。
海外での活躍を目指す日本選手にとっては、しっかりと結果を出さなければならない。
国内レースでポイントを獲得できない、イコール海外では到底通用しない、という結論になってしまうからだ。

9月開催のアジア競技大会への代表選考レースとなったWTCS横浜。
オリンピックランキングがまだスタートしていないため、海外からそれほど多くの選手たちが参加するには至らなかった。
またバイクコースも安全面を優先し、通常のイージーコーストなっているためバイクを得意としない日本選手にとってはランの実力を証明できるチャンスとなった。
バイクでの大集団フィニッシュからランでどこまで抜け出せるか。

男子はスイムから6選手が飛び出し、そのまま逃げ切り体制を作る。
6名中、3選手がオーストラリアの選手であったことがこの逃げを決定的にした。
第2集団は大集団。
ここでランニングを得意とする安松青葉選手が実力を出し切る。
イマイチ実力を出し切れてはいないものの北條巧選手がこれに続く。
更には定塚利心選手、大島拓人選手といったU23の次世代の選手がしっかりと走り切った。

女子は予想通りの大集団。
だが集団走の中でしっかりとポジションを確保して走る選手の姿を複数名、確認できた。
バイクで疲れてランで走れない。
この繰り返しから脱却するためのレース展開を観ることができたことは大きな前進だ。
林愛望選手、平泉真心選手がランでも粘りが大きな可能性を見せてくれた。
この2選手もU23の次世代選手。
最近、中国、香港に押され気味な日本チームであるが、ここから数か月でしっかりレベルアップできればアジア競技大会での好結果も十分に期待できる。

大阪大会は若手選手にとっては登竜門。
海外選手を交え、ベテランや若手の日本選手たちがどのようなレースをして、どのような結果に結びつけてゆくのか。
横浜とは異なった戦いを観ることができる。
スプリントディスタンスのため内田、西崎、高田と言った高校生選手が参加していることも面白さを引き立てる。
男子期待の大島拓人選手がスイムを良いポジションでフィニッシュしたがバイク序盤でクラッシュ。
バイクで積極的な戦いを見せたのは前田凌輔選手、吉川恭太郎選手。
この2名も世界で通用できる実力を持っている。
表彰台は海外選手にもってゆかれてしまったが、横浜に続き定塚利心選手が5位と健闘。
高校生ヤングホープは大きな結果は出せないが、しっかりと光る部分をみせてくれた。

女子は海外選手に加えて日本王者・林愛望選手と妹・彩夢選手が先頭集団でレースを魅せる。
バイクを得意とする平泉真心選手も加わりラン勝負に。
残念ながら優勝は海外選手にもってゆかれたが平泉選手がランでの粘りをみせる。
最近、平泉選手はトライアスロンでのランで強さを見せる。
2位に平泉選手、4位に林愛望選手とアジア競技大会日本代表選手が結果を出した。
そして5位には林彩夢選手。
若手選手の成長を確認できた大阪大会となった。

日本の将来に向けて真価を問われた、この国内2レース。
次世代チームはU23ヘッドコーチでもある田山寛豪監督が直接指導する流通経済大学の選手たちがその成長をみせ、倉内千紘コーチが率いる林姉妹が着々とレベルアップを上げていることが確認できた。

 

【写真1】
大阪城を仰ぎながらレースを行うAC大阪城大会。
エリート選手に風景を楽しむ余裕はないが、素晴らしいロケーションで開催されている。
世界的にみても、このような場所で開催されている大会はないだろう。

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【写真2】
兵庫の鉄人・揖場裕選手。
現在は怪我のためリハビリ中ではあるが、日本トライアスロンの歴史に名を刻むエイジグループ選手。
40年に渡るライバルだ。

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【写真3】
2004年アテネオリンピック日本代表の中西真知子・現 貝塚市議。
私がチームNTTで監督をしていたときの選手だったが、今や立派な政治家であり、LANVESTAクラブの代表。

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【写真4】
バイク専門コーチに柿木孝之氏が就任し、選手のバイクに対する走り方が変わった。
集団の中で安全かつ効果的な位置で走れる選手が増えてきたことは喜ぶべきことだ。

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中山俊行プロフィール


中山 俊行(なかやま としゆき)

1962年生まれ
日本にトライアスロンが初めて紹介された18歳のときトライアスロンを始める。
日本人プロ第1号として、引退までの間、長年に渡りトップ選手として活躍。
引退後も全日本ナショナルチーム監督、チームNTT監督を歴任するなど、日本のトライアスロン界をその黎明期からリードし続けてきた「ミスタートライアスロン」。

【主な戦績など】
第1回、第2回 宮古島トライアスロン優勝
第1回、第2回 天草国際トライアスロン優勝
1989年から8年連続ITU世界選手権日本代表
アイアンマン世界選手権(ハワイ・コナ)最高順位17位(日本歴代2位)
初代・全日本ナショナルチーム監督
元・チームNTT監督
元・明治大学体育会自転車部監督
第32回オリンピック競技大会(2020/東京)トライアスロン日本チーム監督

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