7シーズン目を迎えるカーフマンジャパン・デュアスロングランプリが、底冷えの東海ステージで開幕した。男子のエリートクラスには学生選手を中心に過去最高の約80名がエントリー。昨年の日本選手権覇者・飯干守道とシリーズチャンピオンの深浦祐哉が出場回避、また高橋泰夫も直前の怪我で出場を見送り、いわゆるデュアスロン四天王の一人、森正と若手選手の対決という構図になった。
一周約1.1kmを5周回する第1ラン。U23アジア選手権優勝の栗原正明(HEAD/国士舘大学エース)が序盤から積極的に飛び出すも、やがて集団に吸収される。3周目めから徐々に集団が分かれはじめ、結局、力のある森が先頭を引っ張り、栗原に加えて、若手の辻泰樹(立命館大学TC)、昨年の世界戦日本代表選手の濱由嵩(十四侍)、川村好平(チームケンズ)、藤崎直哉(茅ヶ崎消防)が先頭集団を形成し、6人はそのままなだれ込むようにバイクスタート。バイクのスペシャリスト・篠崎友(BIKE&HIKE)ら後続は先頭から約20遅れでバイクへ。
1周5kmのバイクを6周回する1周目、先頭集団から川村と藤崎がこぼれる。その2名をパスして篠崎が単独で先頭集団を果敢に追うが、なかなか差を詰めることができずに後続に吸収され、セカンドパックは16人の大集団で形成される。
結局4人は集団のまま勝負は第2ランへ。セカンドパックからは篠崎、竹内鉄平(三好SATC)、三木琢矢、榊原健一らが抜け出し、1分30秒の差でバイクフィニッシュ。先頭を追って第2ランをスタートした。
すばやいトランジッションで真っ先に飛び出したのは森。辻、濱、栗原らもしっかしとした走りで森を追うがなかなか捕らえられない。結局森は、第2ランのスタートダッシュの勢いで、そのまま第2ラン5kmを押し切り、なんとラップ驚異の15分27秒を叩きだし、東海ステージがこのコース設定になってからのコースレコードで文句なしの第1戦の優勝を飾った。また2位には期待の若手アスリート、辻泰樹が入賞。気象条件などの違いがあるとはいえ、昨年の深浦の優勝タイムを破っての2位入賞はこれからの可能性を感じさせる大きな価値のある走りであった。
一方、女子は女王・沢田愛里にデュアスロン初挑戦の田口絵里(富士トライアスロンクラブ)がどんな戦いを挑むのかが注目のまとに。
第1ランから田口は積極的な走りで、集団の人数がすこしづつ減って行く。最後は沢田とのサイドバイサイド。ところが試合巧者の沢田は第1ラン後半スピードアップ。田口に少しの差を空け、素早いトランジッションでバイクコースへ飛び出す。反応し切れなかった田口はさらにトランジッションで自分のバイクの位置を見失うハプニング。完全に出遅れて沢田にバイクで付いて行く事ができなかった。バイクに入ると力を発揮したのがベテランの矢島ルリ子。先行する選手を次々とパスして沢田に追いつくも、ここでも沢田が終盤矢島を振り切り、単独で第2ランへ。その後も女王らしい安定した走りで他を寄せ付けず、開幕戦で格の違いを見せ付けた。2位にはバイクの貯金を守った矢島ルリ子が、3位には第2ランラップ17分45秒で矢島を猛追した田口が入った。
カーフマンジャパンシーズン7・東海ステージエリートレース |