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第102回コラム「2013年 幕開け」

2013年も既に2月に突入。
1月に開催されたオーストラリア・ユース・オリンピック・フェスティバルでは、小原すみれが銀メダルを獲得し、前田凌輔が惜しくも入賞を逃すが9位と健闘。
2012年ジュニア女子世界王者、そしてAYOF銀メダリストを育成した内山勇コーチ(チームケンズ京都)の勢いは止まらない。
これに刺激を受けた日本ジュニア選手の勢いは2013年も続いてゆきそうだ。U23、ジュニア選手にとって、2013年シーズンは既に開幕。
2月17日に愛知県で2013年アジア選手権(フィリピン)の代表選考レースが開催され、選手達は熱い戦いを演じた。
今回はプールで泳ぎ、愛・地球博記念公園に移動しBIKE&RUNを行う形式。
非常に寒い日であったが選手達は元気いっぱいで走っていた。
昨年のレース結果と今回の選考会の結果に基づきU23、ジュニアの日本代表選手が決定される。
選ばれた選手達は、4月27日にアジアの覇権を賭けて戦うことになるのだ。

さて今回のレースはドラフティング禁止レース(ノンドラフティング)で開催された。
選考会である以上、ルールを厳守させ、フェアなレースをする必要がある。
レース前には選手たちにもルールを守ることの大切さを話し、選手達も自覚し、マーシャルにも協力をしてもらいながらレースを開催した。
結果としては、ルール違反のペナルティはなかったものの、それでも「難しい場面」がいくつかあった。

これは選手だけの問題ではない。
指導者の問題でもあり、マーシャルの問題でもあり、私の問題でもある。
そしてそれは同時に競技団体全体の問題でもある。

現在スポーツ界でいろいろな事が取り沙汰されている。
伝えたいことは、ルールやマナーについて、トップ選手、指導者が意識するのは当たり前。それだけでなく一般愛好者も含めた全員にモラルを持ってもらうよう方向付けることが必要だということ。
一般愛好者の中には、ルールも知らずに参加する選手、練習もしないで参加する選手も存在するだろう。
そういった選手に対しても、しっかりと対応しなければならないことをトライアスロン界全体が知っておいてほしいということだ。
一般公道を使用する大会が大半を占めるトライアスロン。
事故や不正があって困るのは結局、我々トライアスリートなのだ。
だからこそトップ選手であろうとエイジ選手であろうと真のトライアスロン愛好者はフェアで正々堂々とした戦いを演じなければならない。
日本代表であればなおさらだ。
偉そうにコラムを書いている私にも同じことが言えよう!

マナーを守り、モラルを守り、トライアスリート全員でこのスポーツを盛り上げていこうではないか。

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【写真1】
2013年オーストラリア・ユース・オリンピック・ゲーム(AYOF)で見事、銀メダルを獲得した小原すみれ。
SWIMの強さ、RUNの安定感は素晴らしい。
彼女のレースも非常にクリーンだ。

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【写真2】
アジア選手権ジュニア・U23選考会に協力をしてくれた指導者陣。
指導者でありながらもマーシャルのお手伝いもしてくれた。
選手の競技能力、そして人間力の強化をすることがこのメンバー全員の使命だ。

中山俊行プロフィール

中山俊行(なかやま としゆき)
1962年生まれ
日本にトライアスロンが初めて紹介された18歳のときトライアスロンを始める。
日本人プロ第1号として、引退までの間、長年に渡りトップ選手として活躍。
引退後も全日本ナショナルチーム監督、チームNTT監督を歴任するなど、日本のトライアスロン界をその黎明期からリードし続けてきた「ミスタートライアスロン」。

【主な戦績など】
第1回、第2回 宮古島トライアスロン優勝
第1回、第2回 天草国際トライアスロン優勝

1989年から8年連続ITU世界選手権日本代表
アイアンマン世界選手権(ハワイ・コナ)最高順位17位(日本歴代2位)
初代・全日本ナショナルチーム監督
元・チームNTT監督
元・明治大学体育会自転車部監督

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