天草、酒田、蒲郡の3戦が開催され、世界選手権とアジア選手権の日本代表の座を争う激烈な戦いが演じられた。
弱体化を懸念しているU23カテゴリーだが、蓋を開けてみるとなかなかに面白い。
彼らの熱い情熱をしっかり方向付けてあげれば、大学生選手もまだまだ強くなることを感じることができた。
結果には物足りなさを感じるものの、可能性を感じることができる3レースだった。さて7月10日は大阪舞洲大会。
日本のトップ・オブ・トップは出場していないが、実に面白いメンバー構成となっている。
オリンピックでの活躍が危ぶまれる日本男子人の現状と将来を凝縮した大会となりそうだ。判り易くグループ分けをしてみよう。
【グループ1】元・日本トップクラス。
かつて日本を牽引していた平野司、岩井信二。
そして事故からの復帰を賭ける平松幸紘。
【グループ2】ノン・ドラフティング強豪選手
エイジグループの雄。伊藤寿、倉内誠司、岡本治樹、木庭和彦、廣冨真也。
ドラフティングに慣れ切ったエリート選手に一石を投じるか。
【グループ3】西の大学リーダー
同志社大学(笠井、上野、中塚、丸岡)&立命館大学(末岡、山田、樋口)。近畿大学(新木)も見落とせない。
【グループ4】東の大学リーダー
OBも含めた日本体育大学勢(若杉兄弟、早野)と好調の堤啓(専修大)。特に堤はエリートまであと一歩の場所に立つ。
【グループ5】ジャパンカップ常連勢
外山、井上、小池といったジャパンカップ常連勢はメジャーでの優勝を目指したい。
【グループ6】次世代選手
小林晃久、前田隼矢。次世代の日本チームの中核となる可能性がある選手はどこまで食らいつけるか。できれば優勝してほしい。
この出場者リストをみて、「勝たなければならない」選手が当然、存在する。
高い意識をもって戦い、勝ち抜いた選手のみが、世界の舞台で戦う資格がある。
エリートvsエイジ。エリートvs大学生。大人vs若手。
暑さ厳しい大阪大会であるが、どんな条件下でも強い奴が勝つのだ!!
【写真1】蒲郡大会スプリントの部、はジュニア選手(16~19歳)にとっては世界選手権、アジア選手権の選考会として開催された。
また、バイク弱体化にストップを掛けるために、今回はドラフティング不許可レースで開催された。
まだまだバイクの乗り方にとまどいがある蒔田亜伽音(チームウィングス)だが、スイムを強化してゆけば有望選手となる。
【写真2】勝って当たり前。。。というよりは今回勝てなければオリンピック代表戦線から脱落していただろう。ギリギリで踏ん張った、土橋茜子。ナショナルチームの意地を見せる。
中山俊行プロフィール
中山俊行(なかやま としゆき)
1962年生まれ
日本にトライアスロンが初めて紹介された18歳のときトライアスロンを始める。
日本人プロ第1号として、引退までの間、長年に渡りトップ選手として活躍。
引退後も全日本ナショナルチーム監督、チームNTT監督を歴任するなど、日本のトライアスロン界をその黎明期からリードし続けてきた「ミスタートライアスロン」。
【主な戦績など】
第1回、第2回 宮古島トライアスロン優勝
第1回、第2回 天草国際トライアスロン優勝
1989年から8年連続ITU世界選手権日本代表
アイアンマン世界選手権(ハワイ・コナ)最高順位17位(日本歴代2位)
初代・全日本ナショナルチーム監督
元・チームNTT監督
元・明治大学体育会自転車部監督