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第86回コラム「いざ!世界へ!!」

震災の被害に遭いながらも山形県酒田市では予定通り6月19日に「第1回U23日本選手権」「第26回みなと酒田おしん大会」の開催に向けて準備を進めてくれている。
U23カテゴリーの選手にとっては、この酒田大会が世界へ羽ばたく大きな試金石となる。
そして6月5日アジアカップ天草大会、6月26日アジアカップ蒲郡大会を含めた3大会の結果に基づき世界選手権(9月9日&10日)とアジア選手権(9月24日&25日)の日本代表選手が選考される。
以前のコラムにも書いたが、本来大学生が中心となっているこのカテゴリー。高校生が出場権を得て、大学生が誰ひとり参加できないことは余りにも悲しい。改めて大学生トライアスリートの奮起を期待したい。挑戦しなければ何も始まらない。そしてジュニア・カテゴリー選手の選考方法もようやく決定した。
長良川で開催されるジュニア日本選手権。そして蒲郡オレンジトライアスロン・スプリント部門の2大会だ。
長良川大会は例年通りの開催である。
そして注目すべきは蒲郡オレンジトライアスロン・スプリントの部。これはノンドラフティング・ルールで開催される。日本人選手にとっての致命的な弱点とも言えるバイクパート。ドラフティング許可レースの導入により国際大会における日本選手活躍のチャンスが増えた。しかし同時に弱体化も招いてしまった。
バイクの実力が明確に測れるノンドラフティングレースは私の希望するところである。
特にジュニア世代に、消極策や誤魔化し方を覚えることはマイナスでしかない。
開催に向けての様々な問題があることは理解しているがジュニア強化に向けての大きな挑戦であると考える。一番になることは素晴らしい。たとえ一番になれなくても一番を目指すことで多くの経験を積むことができ、多くのことを学ぶことができる。
地元で一番、県で一番、ジュニアで一番、学生で一番。そのどれにも価値はあるし、高く評価できる。
だがどうせ目指すのであれば「世界で一番」を目指してほしい。そこに辿り着ける選手は本当に一握りしか存在しない。だが小さな世界で満足するよりも、大きな世界を目指して全力を尽くすことの方が確実に楽しい。
忘れてはならないことは、世界一を目指している選手が、日本一を目指している選手に負けるはずがないということ。
日本一になれる選手は、世界一を目指している選手の中から生まれてくる。

目標の大きさがその選手の器の大きさを決めてゆく。
目指せ!世界を!!

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(写真1)苦戦続きの男子エリート。田山(左)、細田(右)を中心に立て直せるか。
テニス同様、トライアスロンもレースに出続け、ポイントを稼がないと世界選手権シリーズやワールドカップに出場することすらできなくなっている。まずはコンチネンタルレースが重要なのだ。

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(写真2)ジュニア時代から日本を引っ張り続ける菊池日出子(中央)と椿浩平(右)。
村上コーチ(左)のもとでエリート・カテゴリーへの挑戦を続ける。期待したい。

中山俊行プロフィール

中山俊行(なかやま としゆき)
1962年生まれ
日本にトライアスロンが初めて紹介された18歳のときトライアスロンを始める。
日本人プロ第1号として、引退までの間、長年に渡りトップ選手として活躍。
引退後も全日本ナショナルチーム監督、チームNTT監督を歴任するなど、日本のトライアスロン界をその黎明期からリードし続けてきた「ミスタートライアスロン」。

【主な戦績など】
第1回、第2回 宮古島トライアスロン優勝
第1回、第2回 天草国際トライアスロン優勝

1989年から8年連続ITU世界選手権日本代表
アイアンマン世界選手権(ハワイ・コナ)最高順位17位(日本歴代2位)
初代・全日本ナショナルチーム監督
元・チームNTT監督
元・明治大学体育会自転車部監督

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