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第83回コラム「来たれ、大学生挑戦者」

2011年、新たな強化策としてU23選手権を開催することとなった。
JTU強化の一環指導のひとつ、若手指導者の強い希望、そして大学生が世界へ飛び出すチャンスとして、この大会が開催されることとなった。エリートの混じらない純粋なU23選手のみによって争われる大会。U23選手があくまで主役だ。
場所はジャパンカップが開催されている山形県酒田市。
ルールは公式戦に則り、ドラフティング許可レースとなる。特筆すべきことは、この大会の優勝者は2011年アジア選手権U23クラスへの代表権を獲得できるということだ。更に2011年に限定されるが、世界選手権U23クラスへの代表権も獲得できる。
世界で戦いたい、プロを目指したいと考えるのであれば絶好のチャンスだ。
そして記念すべきU23選手のみで開催される選手権の「第1回優勝者」として後世に名前を残すこともできる。弱体化がささやかれる大学生にあっても、同志社大学や東北大学など一部の大学では積極的にジャパンカップに参加している。大学生だからインカレという一大イベントへの出場を目指すことも悪くないが、競技トライアスリートを名乗るのであれば、競技トライアスロンの世界に挑戦してほしい。

昨年不調に終わった選手にも多くのチャンスがある。出場権についての詳細は、近いうちにJTU・HPに掲載される。まずは認定記録会でタイムを出すことを目標として冬のトレーニングに取り組んでほしい。そこで出場権を獲得することが可能だ。

これは私から若手選手への挑戦状でもある。
今までのコラムでの大学生を含む若手選手の不甲斐なさを嘆いてきている。
その発言に腹を立てているのであれば見返すチャンスがやってきたと思ってくれ。
「中山の口を黙らせてやる!」という強い意志をもって挑戦してきてくれ。
ここが世界への登竜門となる。一人でも多くの大学生競技トライアスリートが出現することを願っている。

(写真1)明治大学自転車部の学生王者

(写真1)明治大学自転車部の学生王者

(写真1)
マイナーな自転車競技の世界にあってもインカレ王者は、実業団選手とでも、プロ選手とでも戦うことができる。競泳、自転車競技、陸上にあっても同様だ。写真は母校・明治大学自転車部の学生王者。
残念ながらトライアスロンにおいては、大学王者が高校生にも勝てないのが現状だ。

(写真2)ITU 高谷正哲 氏

(写真2)ITU 高谷正哲 氏

(写真2)
慶応大学OBで現在 国際トライアスロン連合の広報に勤務する高谷正哲。
競技の世界ではないが、JTUではなく、ITUという国際舞台に挑戦し、活躍している。
矢島、下井、高谷と続いた慶応大学の伝統を守る選手は現れるか・・・

中山俊行プロフィール

中山俊行(なかやま としゆき)
1962年生まれ
日本にトライアスロンが初めて紹介された18歳のときトライアスロンを始める。
日本人プロ第1号として、引退までの間、長年に渡りトップ選手として活躍。
引退後も全日本ナショナルチーム監督、チームNTT監督を歴任するなど、日本の
トライアスロン界をその黎明期からリードし続けてきた「ミスタート ライアス
ロン」。

【主な戦績など】
第1回、第2回 宮古島トライアスロン優勝
第1回、第2回 天草国際トライアスロン優勝

1989年から8年連続ITU世界選手権日本代表
アイアンマン世界選手権(ハワイ・コナ)最高順位17位(日本歴代2位)
初代・全日本ナショナルチーム監督
元・チームNTT監督
元・明治大学体育会自転車部監督

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