アジアの進化が顕著なのか、日本がレベルアップに苦戦しているのか。
愛知県蒲郡市で開催されたアジア競技大会、トライアスロン。
男子で金メダル、女子で銅メダル、リレーで銀メダルを獲得した。
日本代表として戦った選手たちは全力でレースに挑んだ。
選手はもちろん、指導に関わるコーチ・スタッフたちも一丸となり、並々ならぬ準備のもとでの挑戦となった。
日本が危機的な状況にあることを理解していたからだ。
そんな中、3競技(男子・女子・MR)においてメダルを獲得したことは、日本チームの挑戦が一定の成果を出したことの証明だと考える。
選手、コーチ、スタッフの挑戦には敬意を表したい。
賞賛することはあっても非難することがあってはならない。
だが男子、女子、リレーにおいてアジア諸国の追い上げに対抗できていない現実は明らかになった。
過去の大会を振り返れば、男子、女子、リレーの3種目において金メダルを獲得。
個人種目においては2つのメダルを獲得するケースも珍しくなかった。
これが当然であり、その結果をもってアジアNo1の威信を賭け、世界に挑んでいった。
だがアジアの盟主としての立場は入れ替わった。
特にミックスリレーでの結果は、その国のレベルを顕著に示していると考える。
「頑張ったから仕方ない」「メダルが取れて良かったね」という話ではない。
なぜこのような状況になったのか。
このような状況になることが分かっていて、その上で何をしてきたのか。
残念ながら過去も含めて原因や責任を明確化してきていない。
ここから復活してゆくために。
2年後のロサンゼルス、6年後のブリスベンで目標を達成するためにどのように強化を進めてゆくのか。
課題、改善すべき優先順位、資金、その責任を明確化してゆかなければならない。
同時に「世界を語れる指導者がいない」ことは繰り返し伝えてきた。
加えて、世界を転戦し、世界のトップ選手と共に活動している選手もニナー賢治選手のみとなってしまった現状とどう向き合ってゆくのか。
全てを見直すことが求められる。
日本チームは今が変化するための大きなチャンス。
アジア競技大会の数日後、ポンテベドラで開催されたWTCファイナルのエリートカテゴリーには、U23カテゴリーに属する日本選手が多く挑戦した。
アジア競技大会に出場した林愛望選手、平泉真心選手、定塚利心選手。
加えて大島拓人選手。
この選手たちは、U23世界選手権ではなくファイナル(エリート)に挑戦したのだ。
残念ながら結果は良いとは言えない。
だが出場した選手たちは成長と共に必ずレベルアップを遂げてくれるだろう。
限られた時間の中で彼女たち、彼らが進化を遂げられるよう支えてゆかなければならない。
【写真1】
オールキッズ大会(栃木県真岡市)。
夢と希望と才能にあふれる小中学生が集まる。
このタレントたちをどうやって伸ばしてあげるのか。
システムを作るだけでは競技の継続もレベルアップも難しい。
【写真2】
10月11日 東扇島アクアスロン大会㏌川崎みなと祭り、チームケンズカップアクアスロンin本牧市民プール
10月12日 大田区アクアスロン
普及の一環、強化の一環としてアクアスロンにも注目していって欲しい。
【写真3】
八景島トライアスロン・フェスティバル。
連日、悪天候が続く中、大会当日はベストともいえる天候に恵まれた。
出場選手が千人を超え大いに盛り上がった。
中山俊行プロフィール

中山 俊行(なかやま としゆき)
1962年生まれ
日本にトライアスロンが初めて紹介された18歳のときトライアスロンを始める。
日本人プロ第1号として、引退までの間、長年に渡りトップ選手として活躍。
引退後も全日本ナショナルチーム監督、チームNTT監督を歴任するなど、日本のトライアスロン界をその黎明期からリードし続けてきた「ミスタートライアスロン」。
【主な戦績など】
第1回、第2回 宮古島トライアスロン優勝
第1回、第2回 天草国際トライアスロン優勝
1989年から8年連続ITU世界選手権日本代表
アイアンマン世界選手権(ハワイ・コナ)最高順位17位(日本歴代2位)
初代・全日本ナショナルチーム監督
元・チームNTT監督
元・明治大学体育会自転車部監督
第32回オリンピック競技大会(2020/東京)トライアスロン日本チーム監督








