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第225回コラム「テクニカルオフィシャル(TO)のプロ意識。」

いきなりの自慢になるが、私が会長を務める神奈川県はテクニカルオフィシャル(TO)の意識が高い。
神奈川県所属のTO指導者たちの意識は全国でナンバー1だろうと自負している。
ワールドトライアスロン横浜大会があることも理由の一つだろうが、トライアスロン競技の草創期から大会開催・運営に取り組んできたことも理由の一つだろう。
毎年、大会前後の講習会、反省会、年間活動後の振り返りなども積極的に行われている。

大会のみならず認定記録会やドラフティング講習会などもTOの協力が不可欠だ。
選手のため、普及のため、子供のため、強化のため。
選手と異なり、レースで前面に出てくる機会は少ないがTOの担っている役割は非常に大きい。
また日本トップクラスのTOは世界の中でもトップクラスといっても過言ではない。
日本がトライアスロンにおいて世界に誇れる分野の一つだと感じている。
是非とも日本におけるトライアスロン競技の発展のために前進し続けてほしい。

だが選手同様にホンモノも存在すれば、立ち位置が不明瞭な者も存在する。
この辺りは選手強化の抱える課題と同じだ。
役職を得たことで高圧的になる者。
与えられた業務しか果たそうとしない者。
選手や競技を見ているのではなく、自分の活動に酔いしれている者。
大会運営上、人数を揃えなければならない実情もあり、全員が高い意識を持っているとは言えない現実もある。

早朝からレース終了まで。選手より長い時間を活動し、責任を負ってレースの安全な執行をサポートしてくれていることには感謝しかない。
ひとたびレースが始まれば、その緊張に中で活動する大変さも理解できる。
にも関わらず、なかなかTO活動への評価は見え辛い。
そんな中、トライアスロン・ジャパンにおいて全国で活動するTOに向けて表彰制度をスタートしたことは非常に良いことだ。

各個人のレベルに差があることは仕方がない。
だが少なくとも「選手権」に関わるTOであれば最低限のプロ意識はもって欲しい。
選手は人生を賭けて戦っている。
そのジャッジ一つで将来が大きく変わることもある。
TOも人間であり間違えることもあれば、気が抜ける瞬間もある。
「ミスをするな」という話ではない。
覚悟の問題だ。
「選手権」として開催されている大会であればプロ意識をもったTOにジャッジをしてもらいたいというのは選手の本音だ。
お粗末な大会運営、お粗末なTOによるお粗末なジャッジに苦い思いをさせられた選手はその事実を忘れることはない。

プロ意識をもつTOに見守られながら、プロ意識を持った選手が真剣勝負をする。
そのような「選手権」が増えてくれることを期待する。
改めて伝えたい。
レベルの問題ではなく覚悟の問題だ。

 

【写真1】
2026年1月、正月気分が抜けない時期から神奈川県のTO講習会はスタートする。
2025年を振り返り、将来に向けて更に進歩してゆこうとする意志の表れだ。
講習会においては神奈川県警察にも協力頂いている。

TO講習会26年1月

 

 

 

 

 

 

 

 

【写真2】
4月から道路交通法が改正され自転車のルールもより厳格化される。
安全のためにルールを熟知し、知識を増やし、現実に備えてゆく必要がある。
逆走自転車、スマホ自転車、一時停止無視、ルール無用の暴走モペット。
我々は我々自身の安全を確保しなければならない。

rule_BOOK_写真2

 

 

 

 

 

 

 

中山俊行プロフィール


中山 俊行(なかやま としゆき)

1962年生まれ
日本にトライアスロンが初めて紹介された18歳のときトライアスロンを始める。
日本人プロ第1号として、引退までの間、長年に渡りトップ選手として活躍。
引退後も全日本ナショナルチーム監督、チームNTT監督を歴任するなど、日本のトライアスロン界をその黎明期からリードし続けてきた「ミスタートライアスロン」。

【主な戦績など】
第1回、第2回 宮古島トライアスロン優勝
第1回、第2回 天草国際トライアスロン優勝
1989年から8年連続ITU世界選手権日本代表
アイアンマン世界選手権(ハワイ・コナ)最高順位17位(日本歴代2位)
初代・全日本ナショナルチーム監督
元・チームNTT監督
元・明治大学体育会自転車部監督
第32回オリンピック競技大会(2020/東京)トライアスロン日本チーム監督

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