トライアスロンのトレーニングには時間が必要。
仕事を持つビジネスアスリート、学業と両立させようとする学生アスリート、夢と希望に燃えるジュニアアスリート、自身の常識を打ち破らんとするシニアアスリート。
トライアスロンを生涯スポーツとして選び、挑戦し続ける多くのアスリートたち。
更には、競技には参加しなくても、TOやボランティアとして後方から競技を支えてくれるスタッフたち。
人口が減り、子供の数も減ってゆく中、トライアスロンというスポーツに係わる多くの人たちがいる。
本当に嬉しく感謝するばかりだ。
だが「時間が必要」という悩みは全員に共通するだろう。
エイジ選手にはエイジ選手それぞれの目標がある。
エイジランキングを目指す選手もいれば、自己ベストを目指す選手、厳しい基準をクリアして完走を目指す選手。
仕事や学業、家庭や会社、怪我や故障、それぞれの事情をクリアして、自分の生活の中にあるハードルをクリアして競技に臨む。
「速い・遅い」「勝った・負けた」だけでは量れない、偉大な挑戦だ。
だがエリートとなると少し様相が変わる。
JTUの登録上の「エリート」や「プロ」の話をしているのではない。
何をもって「エリート選手」といえるのか。
何をもって「プロ選手」といえるのか。
応援者や協力者の想い、自己実現達成のための行動、目指すべき高い目標。
それを支援するために使われる金員。
これらを理解できているのか疑問に思う場面が多々ある。
エイジ選手にも平然と敗れる自称プロ&自称エリート。
トップ選手といえども負けるときは負ける。
だがプロやエリートを名乗るのであれば相応の戦いをしなければならない。
敗れることはやむを得ない。
だがそれを当たり前とし、敗因を他人のせい、環境のせいにする。
レースにおいてもトップ選手とは思えない中身の薄い戦い方をする。
「この選手は何を目指しているのか」
疑問に思う場面は少なくない
オリンピックを狙います。
本当に嬉しい宣言であり目標設定だ。
では、その目標に向かって本気で努力をしているだろうか。
小学生が「将来の目標はオリンピックで金メダル」と語ることとは大きく異なる。
本気で世界で戦う、世界の大舞台での勝利を目指すのであれば、それなりの行動をとらなければならない。
言葉に出すなら、それを行動で証明してもらう必要がある。
もちろん全員が達成できる目標ではない。
どこに向かって進むのか、どこを目指して進むのか。
行き先がはっきりしている選手ほど強くなれる
本気か否か。
ホンモノか否か。
自分自身に嘘をついても何も始まらない。
【写真1】
日本のトップレースに挑み続ける男子・外山高広選手。
「プロ」ではないが、紛れもない「エリート選手」だ。
彼がなぜトライアスロンに挑み、そしてどこを目指しているのか。
ブレない目標が彼を進化させ続けている。
【写真2】
関東ブロック選手権フィニッシュ後の女子エリート・丹野恵梨香選手。
間違いなく「強い選手」だ。
まっすぐ進む、その取り組み姿勢が彼女の強さだ。
中山俊行プロフィール
中山 俊行(なかやま としゆき)
1962年生まれ
日本にトライアスロンが初めて紹介された18歳のときトライアスロンを始める。
日本人プロ第1号として、引退までの間、長年に渡りトップ選手として活躍。
引退後も全日本ナショナルチーム監督、チームNTT監督を歴任するなど、日本のトライアスロン界をその黎明期からリードし続けてきた「ミスタートライアスロン」。
【主な戦績など】
第1回、第2回 宮古島トライアスロン優勝
第1回、第2回 天草国際トライアスロン優勝
1989年から8年連続ITU世界選手権日本代表
アイアンマン世界選手権(ハワイ・コナ)最高順位17位(日本歴代2位)
初代・全日本ナショナルチーム監督
元・チームNTT監督
元・明治大学体育会自転車部監督
第32回オリンピック競技大会(2020/東京)トライアスロン日本チーム監督