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第196回コラム「キッズ、ジュニア、エリート。それぞれの目標を目指して進もう。」

6月11日は関東ブロック選手権(神奈川県)が日産自動車追浜工場において開催された。
関東ブロック選手権は、関東各県が国体代表選手(国民スポーツ大会)を選考する大会としての位置付けもある。
ベテランと新鋭が混在し、また選手層にバラツキがあることからWTCSやWTCでのレース展開とは大きく異なる。
それでも若手選手にとっては自身をアピールする絶好の大会であり、地域の代表となれば応援者も増えることになる。
ステップアップしてゆくためには重要な大会と言えよう。
どんなレベルの大会であっても真剣勝負のレースは観ていて面白い。
予想外の選手が表彰台を獲得したり、予想外のタレントが走る姿を確認できたり。
エイジ選手のレースも白熱した戦いが演じられ素晴らしい内容だった。
日産自動車がトライアスロンのために特別にコースを貸し出してくれる本当に貴重な大会だ。
残念ながら私は走ったことがない。

6月24日はアジアトライアスロンU23・ジュニア選手権(愛知県蒲郡市)。
歴史ある蒲郡の地でアジア次世代選手の熾烈な戦いが演じられた。
2022年はカザフスタンで開催。
ジュニア男女、U23女子で優勝をした昨年を上回れるか。
選出された新たなタレントがどのような戦いを魅せてくれるか。
非常に楽しみだ。
そして今回はミックスリレーも開催された。

結果についてはJTUのHPで確認してほしい。
ジュニア女子では1位&2位と素晴らしい結果となった。
ジュニア男子において2位&3位ではあったが内容的には満足できるものだった。
U23男子、U23女子。
今年もこの世代が苦戦をする結果となった。
ジュニア世代からエリートへつなげてゆく重要な世代。
この世代をいかに強化してゆけるかが日本の将来のレベルを決めることになる。
選手ばかりではなく指導者、競技団体、関係者の全てが一緒になって考えなければならない。

さて7月には日本U19選手権・U23スプリント選手権と共に全国中学生大会が岐阜県海津市の長良川にて開催される。
ここで開催される中学生大会は、強化よりも普及・育成に重点を置いた大会として開催される。
持久系の複合スポーツはやるべきことが多い。レベルアップには多くの時間が必要となる。
そのため3種目全てを頑張らせることは難しく、エリートに到達する前に燃え尽きてしまうケースが少なくない。
少子化が叫ばれている日本において様々な競技団体がキッズ・ジュニア強化について見直しを図っている。
自身が取り組む競技をよく知り、そして楽しんでもらいたい。
好きでなければ、その先の厳しい戦いで生き残ってゆくことは難しい。
勝利が全てではない。
順位という数字に囚われることなく色々なことを経験し、学んで欲しい。
その過程や結果において大いなる人間性が身につくと考える。
「人間力無くして競技力の向上なし。」
今一度、この言葉を思い出してほしい。

【写真1】
関東ブロック選手権。
この大会は神奈川県選手権としても開催。
2023年神奈川県の王者はこの2人。
鹿児島国体での活躍を期待する。
kanagawa_champs

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【写真2】
アジアトライアスロンU23・ジュニア選手権での勝利を目指し、日本チーム一丸となって戦う。
そのためにレース前、同じカテゴリーの選手同士でミーティングを行う。
レースのイニシアチブを握るための選手同士が同じ方向を向くことは大切だ。
アジアU23男子

 

 

 

 

 

 

 

 

 

中山俊行プロフィール


中山俊行(なかやま としゆき)

1962年生まれ
日本にトライアスロンが初めて紹介された18歳のときトライアスロンを始める。
日本人プロ第1号として、引退までの間、長年に渡りトップ選手として活躍。
引退後も全日本ナショナルチーム監督、チームNTT監督を歴任するなど、日本のトライアスロン界をその黎明期からリードし続けてきた「ミスタートライアスロン」。

【主な戦績など】
第1回、第2回 宮古島トライアスロン優勝
第1回、第2回 天草国際トライアスロン優勝
1989年から8年連続ITU世界選手権日本代表
アイアンマン世界選手権(ハワイ・コナ)最高順位17位(日本歴代2位)
初代・全日本ナショナルチーム監督
元・チームNTT監督
元・明治大学体育会自転車部監督
第32回オリンピック競技大会(2020/東京)トライアスロン日本チーム監督

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