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第183回コラム「2022年の戦い」

新型コロナの脅威が収まらない中、新たな問題が勃発。
ウクライナとロシアの問題だ。
日本から離れたヨーロッパの出来事ではあるが他人事ではない。
スポーツの価値が問われる中、この世界的な悲劇とどう向き合うべきか。
さまざまなSNS、マスコミでも論議されているが、その答えを出すことは容易ではない。

3月上旬に福井英郎(2000年シドニーオリンピック代表)JTUスタッフのいるフランスへ有望なジュニア選手を帯同して遠征に行く計画があった。
しかし航空機移動、現地での安全性など課題は多く実行には至らなかった。
私自身も移動には大いなる脅威を感じていた。
それでも大会は予定通りに開催され、北條巧選手が素晴らしい結果を残した(予選1位、準決勝1位、決勝8位)。

そして間もなく2024年パリ・オリンピックに向けたランキング(OQR)争いがスタートする。
そして、このランキング戦に参戦するためにはワールドランキング(WTR)を上げておく必要がある。
そしてワールドランキング(WTR)を上げるためにはレースに出場し、好成績を残さなければならない。
すなわちこの動乱の最中であっても、オリンピックへの戦いは既に始まっているのだ。
安全面に最大限の注意を払いながらもレースに参戦してゆく必要がある。

新型コロナとの戦い、安全面を確保するための戦い、そしてレースでの戦い。
選手は大きな負担を強いられる。
だが、これらは全選手にとって同等の負担。
影響を受けない選手は誰もいない。
すなわちこれら全てが2022年の戦いなのだ。
ただトレーニングを頑張っていれば良い訳ではない。

東京での雪辱は果たそうとする選手、東京での悔しさをパリに賭ける選手、自分の誇りを賭けて戦う選手、新たな挑戦として戦う選手。
目的はさまざまだが立ち止まっている時間はないのだ。
まずは2022年を勝ち抜く選手が誰なのか。
しっかりと確認したい。

自分が平和な場所に居られることに感謝すると共に、1日も早くウクライナに平和が戻ることを祈るばかり。
役に立たないかもしれないが、今自分にできることをしてゆきたい。
 
 

川崎大師BIKE講習会
【写真1】
川崎トライアスロン協会(KTA)では川崎大師の駐車場を借りて講習会を実施。
今は初心者向けとして開催しているが、中級者向け、小中学生向け、最終的にはエリートや自転車選手の参加も視野に入れた内容として開催したいと考えている。
チャンスがあれば参加することをお勧めする。
 
 

境川バンク練習(JTUタレント)
【写真2】
バイクは自分の命を乗せて走る乗り物である。
基本的な技術を磨くことがレベルアップや事故防止につながる。
遠征を控えたタレント選手へテクニカルな講習会を実施。

中山俊行プロフィール


中山俊行(なかやま としゆき)

1962年生まれ
日本にトライアスロンが初めて紹介された18歳のときトライアスロンを始める。
日本人プロ第1号として、引退までの間、長年に渡りトップ選手として活躍。
引退後も全日本ナショナルチーム監督、チームNTT監督を歴任するなど、日本のトライアスロン界をその黎明期からリードし続けてきた「ミスタートライアスロン」。

【主な戦績など】
第1回、第2回 宮古島トライアスロン優勝
第1回、第2回 天草国際トライアスロン優勝
1989年から8年連続ITU世界選手権日本代表
アイアンマン世界選手権(ハワイ・コナ)最高順位17位(日本歴代2位)
初代・全日本ナショナルチーム監督
元・チームNTT監督
元・明治大学体育会自転車部監督
第32回オリンピック競技大会(2020/東京)トライアスロン日本チーム監督

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