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第180回コラム「進め、パリに! ロスに! そして頂点に!」

2021年シーズンも残すところ僅かとなった。
2022年からスタートするオリンピックランキングに向けて候補選手たちは世界を転戦し、ポイントを稼いでいる。
オリンピックポイントの対象大会に出場するためにはそれなりのランキングが必要なのだ。
しっかりと世界ランキングを上げておかなければ出場したい大会には参加することはできない。
本番直前に、強い選手が出現したとしても簡単に出場権が得られない。
だがこれはトライアスロンに限った話ではない。
普段テレビで見にすることが多い、ゴルフ、テニスといったスポーツでも世界ランキングに準じて出場権が得られる。
だから「出場するための準備」が必要なのだ。

パリ・オリンピックまで残された期間は3年を切った。
オリンピックが終わったからといって選手たちが気を抜くことはない。できない。
次のオリンピックに向けた戦いは既にスタートしているのだ。

東京2020大会が終了後もパリに向け好調な選手は強さを示す。
8月21日 世界選手権シリーズ・グランドファイナル(エドモントン)北條巧選手が9位。
9月12日 スーパーリーグ(SLT)ミュニック ニナー賢治6位 
9月18日 スーパーリーグ(SLT)ジャージー ニナー賢治5位
11月5日 世界選手権シリーズ(アブダビ) ニナー賢治9位
11月6日 世界ジュニア選手権 安西琴美選手8位入賞
スーパーリーグ(SLT)ランキング 高橋侑子15位、ニナー賢治8位

競争力を上げることがレベルを上げて行くことにつながる。
オリンピックレースに関わる選手を増やすことが第一歩。
そしてWTCS(世界シリーズ)やWC(ワールドカップ)で結果を出してゆくことが第二歩。
低いレベルでの競争では意味がない。
ニナー賢治選手、北條巧選手、高橋侑子選手を超える戦いをしてゆくことが必要だ。
次なるヒーロー、ヒロインの出現を求める。

211023日本選手権スタート前
【写真1】
10月23日、宮崎において日本選手権およびU23選手権が開催された。
選手にも出場にあたって行動制限など各種の条件が加えられた。
それでもこの厳しい状況の中で受け入れてくれた宮崎県には全員が感謝しなければならない。
 
 

211121日産スタジアム
【写真2】
横浜日産スタジアムを使って開催された「デュアスロンチャレンジ in 日産スタジアム」。
トライアスロンの普及を目指し開催。
スタジアムの中を走り回れる貴重な大会イベントだ。
厳しい状況は続くが、強化と共に普及にも積極的に取り組む必要がある。

中山俊行プロフィール


中山俊行(なかやま としゆき)

1962年生まれ
日本にトライアスロンが初めて紹介された18歳のときトライアスロンを始める。
日本人プロ第1号として、引退までの間、長年に渡りトップ選手として活躍。
引退後も全日本ナショナルチーム監督、チームNTT監督を歴任するなど、日本のトライアスロン界をその黎明期からリードし続けてきた「ミスタートライアスロン」。

【主な戦績など】
第1回、第2回 宮古島トライアスロン優勝
第1回、第2回 天草国際トライアスロン優勝
1989年から8年連続ITU世界選手権日本代表
アイアンマン世界選手権(ハワイ・コナ)最高順位17位(日本歴代2位)
初代・全日本ナショナルチーム監督
元・チームNTT監督
元・明治大学体育会自転車部監督
第32回オリンピック競技大会(2020/東京)トライアスロン日本チーム監督

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