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第166回コラム「認定記録会の新たな役割」

毎年、レースシーズン・オフに開催される認定記録会。
スタートしてから20年以上が経過した。
加盟団体の協力を得て全国各地で開催されるようになった。
過去の記録を見直してみるとエリート(16歳以上)においては日の丸を背負って戦った選手たちの名前が並ぶ。

認定記録会はスイムとバイクの2種目で開催されているが、有望な新人選手を発掘するための場、選手が新たなシーズンを迎えるに当たりトレーニング成果を示す場、現在の有力選手の実力を確認する場として活用されている。

世界のレベルアップは本当に凄まじい。
このレベルアップに追い付き、追い越してゆくためにもトップタイムは世界を目指せる基準としてゆかなければならない。
オリンピックは51.5kmでレースが開催されるが、世界の流れはスプリントレースでもあり、ミックスリレーでもある。
より高いスピードを求められ、これに対応してゆく必要がある。

そして、、、
トライアスロンの更なる発展を目指すため、近年激しい戦いを演じているエイジグループの更なるレベルアップを図るため、2020年末より開催をする認定記録会の基準をリニューアルしようと計画している。

日本の60歳代、70歳代、80歳代の選手の実力は世界と互角と言って良いだろう。
稲田弘選手のような怪物選手も存在する。
https://www.jtu.or.jp/news/2020/07/30/28769/ (JTUホームページ参照)
エイジ日本選手権やエイジランキングの影響で、各エイジ・カテゴリーの実力はどんどん高くなっている。
自称エリート選手では太刀打ちできないレベルだ。

今まではエリート選手のため、ジュニア選手のため、という感覚が強かった認定記録会を全てのトライアスリートの活動の場として活用したいと考えている。
エイジグループ選手にとってはトライアスリートへの最初の入口であり実力を示す場所、エリート選手にとっては世界への第1ゲートとうイメージだ。
そのためJTUにおいてはワーキンググループを作り半年以上に渡り審議を続けている。

ただ小学生、中学生については変わらず「トライアスロンを体験する場、楽しむための第一歩の場、自分自身に挑戦する場」というスタンスは変えない。
ジュニアD指定、E指定はあくまで頑張った選手へのご褒美だ。
この年代で無理してタイムを出したとしてもエリートにつながらないことは歴史が証明しているからだ。
小中学生のときは、スイマーとして頑張る、ランナーとして頑張る。
加えて、ちょっとトライアスロンを楽しむ。
将来のエリート・トライアスリートにつながるためにはトライアスロンを好きになってもらうことが最も重要だ。
この世代で記録や結果ばかりを追求することは無意味だ。

2015男子歴代トップ20
2015女子歴代トップ20
【写真1】
1999年から2015年までの認定記録会歴代トップ20位(男女)。
オリンピック代表選手を含め、日本王者の名前も連なる。
今現在も活躍している選手の名前も見受けられる。

日本沈没1973
復活の日
【写真2】
小松左京監督の偉大な名作「復活の日」「日本沈没」を久しぶりに観た。
未来は不透明であっても「悔いの残らぬよう今を過ごすことが重要だ」と強く感じさせられる内容だ。

中山俊行プロフィール


中山俊行(なかやま としゆき)

1962年生まれ
日本にトライアスロンが初めて紹介された18歳のときトライアスロンを始める。
日本人プロ第1号として、引退までの間、長年に渡りトップ選手として活躍。
引退後も全日本ナショナルチーム監督、チームNTT監督を歴任するなど、日本のトライアスロン界をその黎明期からリードし続けてきた「ミスタートライアスロン」。

【主な戦績など】
第1回、第2回 宮古島トライアスロン優勝
第1回、第2回 天草国際トライアスロン優勝
1989年から8年連続ITU世界選手権日本代表
アイアンマン世界選手権(ハワイ・コナ)最高順位17位(日本歴代2位)
初代・全日本ナショナルチーム監督
元・チームNTT監督
元・明治大学体育会自転車部監督

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