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第162回コラム「歴史の証人」

ナイキのシューズが世界を席巻している。
あちこちのレースで好タイムを出す立役者となっている。
技術革新の成せる技だ。
そしてこのナイキ・シューズを超えるためにアシックスを含めた各シューズ・メーカーが研究を重ねる。
そしてどこかに時点でその能力を超えたものが出されている。
そして同時に、効果が顕著過ぎるものには規制が入る。
レーザーレーサーを覚えているだろうか。
水着とランニング・シューズの違いはあれども素晴らしい発明であったことは事実である。

さて皆さんは、ランニング・シューズを購入するときに何を基準にして購入していただろうか。
思い出してほしい。
厚い底は初心者、中間の厚さが中級者、薄い底は上級者。
オリンピックで戦う選手、実業団ランナーは薄い底のシューズを信望し、地面からの感覚をダイレクトに感じることで速く走るとしていた。
厚い底のシューズをはいたトップランナーなど存在しなかった。
お店の販売員も同様だ。
そう、これが常識だった。

その常識が今、変わったのだ。
今がまさに歴史が変わった瞬間だ。

常識は非常識から生まれたのだ(第38回コラム)。
まだ薄い底を使用して走る選手も見受けらる。
しかし大きな流れは変わってしまった。
速く走る選手が出現すれば考え方を変える。
結果を出す選手が出現すれば考え方を変える。
悪いことではない。

ただ選手には今一度、考え直してほしい。
今まで常識だと思って受け入れてこなかったこと。
そんなことは誰もやっていないと拒否し続けてきたこと。

誰かが成功する時を待って、それを追ってゆくのか。
それとも自らが挑戦して新たな歴史を作ってゆくのか。
勝利はたいてい後者に微笑む。

トレーニングも同様だ。
常識ばかりに囚われたトレーニングでは世界一は見えてこない。

ブルーメンフェルト
【写真1】
常識を変えた男1。
現在、2020東京オリンピック金メダルにもっとも近い男と言っていいだろう。
この体格で並いるランナーを撃破する。
 
 

オラフ
【写真2】
常識を超えた男2、オラフ・アレクサンダー氏。
ノルウェーチームを支えるスポーツ科学者。
3名しか存在しないノルウェー・エリート男子はWTS-GFで3名ともがトップ8に入賞、東京で開催されたオリンピック・クオリフィケーション・イベントでも2選手がトップ8に入る。
 
 

中山俊行プロフィール


中山俊行(なかやま としゆき)

1962年生まれ
日本にトライアスロンが初めて紹介された18歳のときトライアスロンを始める。
日本人プロ第1号として、引退までの間、長年に渡りトップ選手として活躍。
引退後も全日本ナショナルチーム監督、チームNTT監督を歴任するなど、日本のトライアスロン界をその黎明期からリードし続けてきた「ミスタートライアスロン」。

【主な戦績など】
第1回、第2回 宮古島トライアスロン優勝
第1回、第2回 天草国際トライアスロン優勝
1989年から8年連続ITU世界選手権日本代表
アイアンマン世界選手権(ハワイ・コナ)最高順位17位(日本歴代2位)
初代・全日本ナショナルチーム監督
元・チームNTT監督
元・明治大学体育会自転車部監督

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