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第161回コラム「2020東京オリンピック代表選考への道(2)」

2020年1月、オリンピック代表選考レースに向けて、そして決戦の7月、8月に向けてどの選手も全力で取り組んでいる。
2019年の課題点をどこまでクリアし、どこまで世界に近づけるか、候補として名乗りを挙げている選手たちは考え、実行をしている。

さてオリンピック選考に向けた基本的な情報は前回のコラムで伝えた。
そこから先にどう進むのかを伝えるための「パート2」としたのだが、別の試練を抱え込むことになった。
そう、選考は一筋縄ではゆかないのだ。

一つ目はアメリカvsイラン。
二つ目はコロナウィルス。

選考対象レースとして3月に開催のWTS Abu Dhabi大会、そして翌日に開催されるMixed Relayを指定している。
アブダビはアラブ首長国連邦。
アメリカとイランの争いには直接の関係ない。
しかし関係が悪化すれば近隣諸国の治安にも大きな不安が生じる。
当事者国ばかりではなく周辺国にも影響は出てくる。
今は平静化しているので、このままフェードアウトしてくれることを期待する。
しかし有事への対応は準備しておかなければならない。

そしてコロナウィルス。
中国で選考大会を予定していたボクシングやレスリングなどにおいては大きな影響が出ている。
トライアスロンにおいても5月成都で開催されるワールドカップは男子選考対象レースと設定している。
日々、厳しいニュースがテレビやインターネットで流れてくる。
こちらも世界情勢を見守りながら、選手の安全を第一に考えながら判断を進めてゆく必要がある。

そんな事情とは関係なくオリンピックは近づいてくる。
代表選考レースも近づき、選手たちはまずます緊張の度合いを深めてゆく。
世界の状況を見極めながら「日の丸を背負って戦う」、そして本番で「結果を残す」。
どんな状況になろうとも選手たちの目指すところは変わらない。
そして、揺るがぬ強い意志をもった選手にこそ代表になってほしい。

france bike training 3
【写真1】
フランスでコーチ修行中の福井コーチ(左側 白&緑ジャージ)。
フランス語という難しい言語の中で2年間の指導者研修修行に励んでいる。
溢れんばかりのエネルギーは選手時代と変わっていない。
 
 

カーフマン
【写真2】
カーフマン北関東ステージ。
深浦選手、田中、外山が表彰台を獲得。
ここ最近は安松青葉選手が王者と君臨しているとのこと。
ベテラン勢と新王者の戦いはデュアスロンにおいても激しさを増している。
 
 

中山俊行プロフィール


中山俊行(なかやま としゆき)

1962年生まれ
日本にトライアスロンが初めて紹介された18歳のときトライアスロンを始める。
日本人プロ第1号として、引退までの間、長年に渡りトップ選手として活躍。
引退後も全日本ナショナルチーム監督、チームNTT監督を歴任するなど、日本のトライアスロン界をその黎明期からリードし続けてきた「ミスタートライアスロン」。

【主な戦績など】
第1回、第2回 宮古島トライアスロン優勝
第1回、第2回 天草国際トライアスロン優勝
1989年から8年連続ITU世界選手権日本代表
アイアンマン世界選手権(ハワイ・コナ)最高順位17位(日本歴代2位)
初代・全日本ナショナルチーム監督
元・チームNTT監督
元・明治大学体育会自転車部監督

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