TOP > 連載コラム > トシ中山の「渾身の一撃」 > 第160回コラム「2020東京オリンピック代表選考への道(1)」

第160回コラム「2020東京オリンピック代表選考への道(1)」

間もなく2020年がやってくる。
そう、東京オリンピックまで7カ月を切った。
選手も一段と気合を入れている。
指導者、スタッフも目標達成に向けて更に力を集結してゆく必要がある。

さて知っているようで知らない代表選考基準。
JTUのホームページには1年前に選考基準が掲載されているが、今回は少し判り易く解説してみよう。
最終的な判断は選考委員会(仮称)が行うことになるがITU規定やJTU規定も少し知っておいてほしい。
よく聞かれる質問についてQ&A形式で答えていこう。

Q1.
日本選手は何人出場できるの?
A1.
今回は地元開催となるのでリレー出場のための1枠をもらっている。
そのため男子2名、女子2名は出場できることになる。
更に女子は3枠目を目指して2020年を戦うことになる。
男子は現状のオリンピック・クオリフィケーション・ランキング(以下OQRと略)から開催国枠の2が最大となる。
しかし油断すると出場できなくなるリスクもある(A4参照)

Q2.
代表選手はいつ決定するの?
A2.
2020年5月11日までのレースがポイント対象となっている。
そこまでの結果で個人のOQRが確定する。OQRが確定することで出場可能人数が確定する。
そこからJTUが作成した選考基準に基づき代表選手が先行される。

Q3.
日本はメダル取れるの?
A3.
女子個人種目でのメダル獲得、ミックスリレーでのメダル獲得を目指している。
選手はメダルを取るために必死でトレーニングに励んでいる。
でも世界中の選手がメダル獲得を目指してトレーニングをしている。
取れるか否かは神のみぞ知る。

Q4.
OQRって何? 出場枠と関係あるの?
A4.
OQRはWTS(世界シリーズ)とWC(ワールドカップ)の獲得ポイントで決定する。
そしてこのOQR140位以内の選手しか2020東京オリンピックには出場できない。
これは国際トライアスロン連合のルール。
日本は出場枠を2枠もらっているが140位以内に誰も入っていなければ「出場できない」という結果になる。
140位以内に入っているのは2019年12月16日現在、男子4選手、女子7選手。
2020年5月11日までに残されたWTSは2レース、WCは7レース。
ここまでのポイントで確定となるため最後の最後まで選手は気を抜けない。

日本チームとして掲げた目標を達成できるか。
大いに期待してほしい。

男子合宿
【写真1】
男子強化合宿。
ノルウェーとの合同合宿を利用して一気にレベルアップを目論む。
 
 

U23女子測定合宿
【写真2】
2024年に向けた若手選手も指導開始。
国立スポーツ科学センターを利用して測定合宿を繰り返し行ってゆく。
 
 

中山俊行プロフィール


中山俊行(なかやま としゆき)

1962年生まれ
日本にトライアスロンが初めて紹介された18歳のときトライアスロンを始める。
日本人プロ第1号として、引退までの間、長年に渡りトップ選手として活躍。
引退後も全日本ナショナルチーム監督、チームNTT監督を歴任するなど、日本のトライアスロン界をその黎明期からリードし続けてきた「ミスタートライアスロン」。

【主な戦績など】
第1回、第2回 宮古島トライアスロン優勝
第1回、第2回 天草国際トライアスロン優勝
1989年から8年連続ITU世界選手権日本代表
アイアンマン世界選手権(ハワイ・コナ)最高順位17位(日本歴代2位)
初代・全日本ナショナルチーム監督
元・チームNTT監督
元・明治大学体育会自転車部監督

Copyright © 2015 Neo System Co., LTD. All Rights Reserved.