TOP > 連載コラム > トシ中山の「渾身の一撃」 > 第159回コラム「ワールド・ビーチゲームズ(2019/ドーハ)」

第159回コラム「ワールド・ビーチゲームズ(2019/ドーハ)」

第1回ANOCワールド・ビーチゲームズ大会がカタールのドーハで開催された。
世界陸上大会の直後のワールド・ビーチゲームズ大会。
この大会はオリンピック種目にない、ビーチで開催される競技が中心となって開催される。
そのためこの大会ではトライアスロンではなく、アクアスロンとなっている。
フォーマットは2.5kmラン+750mスイム+2.5kmラン。
暑さのため距離が調整されての開催となった。
日本チームの団長は、我が日本トライアスロン連合の大塚専務理事だ。

ビーチテニス、ビーチサッカー、ビーチレスリング、3on3バスケ、スケートボード、ボルダリング、ウエイクボードなど馴染みのあるスポーツ、ないスポーツなど様々だ。
それぞれの種目にはプロ選手も存在するとのこと。
まだまだ知らないことがたくさんあって楽しくなる。
ビーチとは関係ないスポーツもあると感じるが、そこはこだわらないでほしい。

アクアスロン代表選手は渡部晃大朗。
スピードには不安があるが暑さや乱戦には強い、タフさが売りの選手。
レース結果は6位。
全く実力が判らない30名の選手を相手に善戦した。
女子個人戦は、出場予定の選手が怪我からの回復が芳しくなかったため出場を取り止めとした。
そのため、その翌日開催のミックスリレーも日本チームは欠場。

まだまだ未知数のアクアスロン。
フォーマット(レース形式)を変えれば、勝てる選手も変わってくるだろう。
日本のジュニア世代、育成選手にはぜひ経験してほしいと考える。
現在、全国各地で開催されている認定記録会も一種のアクアスロンだと感じる。
スイムとランの強化および複合性の強さを身につけるには非常に適している。

自分たちのレース終了後は日本チームの応援としてJOCスタッフと共に行動。
ウエイクボード、ボルダリングとスケートボードを応援。
TVコマーシャルに出場している選手も出場。
そして、しっかりと結果につなげていた。
環境や状況がどうであれ「強い選手は勝つ」ことを示していた。

「強い」とは何ぞや。
選手はしっかり考えて、追い求めてほしい。

IMG_2865 (002)
【写真1】
アクアスロン、スタート前。
暑熱対策の一環としてアイスベストを着用する渡部晃大朗選手。

 
 

ボルダリング
【写真2】
ボルダリング、女子決勝。
映像では頻繁に見るが実際に観戦するのは初めて。
超人技ともいえる技術で課題(ルート)をクリアしてゆく。
この課題を考える運営サイドも選手以上に競技を理解しておかなければならない。
 
 

中山俊行プロフィール


中山俊行(なかやま としゆき)

1962年生まれ
日本にトライアスロンが初めて紹介された18歳のときトライアスロンを始める。
日本人プロ第1号として、引退までの間、長年に渡りトップ選手として活躍。
引退後も全日本ナショナルチーム監督、チームNTT監督を歴任するなど、日本のトライアスロン界をその黎明期からリードし続けてきた「ミスタートライアスロン」。

【主な戦績など】
第1回、第2回 宮古島トライアスロン優勝
第1回、第2回 天草国際トライアスロン優勝
1989年から8年連続ITU世界選手権日本代表
アイアンマン世界選手権(ハワイ・コナ)最高順位17位(日本歴代2位)
初代・全日本ナショナルチーム監督
元・チームNTT監督
元・明治大学体育会自転車部監督

Copyright © 2015 Neo System Co., LTD. All Rights Reserved.