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第149回コラム 「初の試み。日本自転車競技連盟との合同合宿。」

宮崎県シーガイア。
日本トライアスロン連合の強化拠点の一つだ。
例年、春と冬にこの温暖な宮崎の地を利用してU23/ジュニア合宿を開催している。
ワールドカップ宮崎大会が開催されるのも同じ場所だ。

2018年を締めくくるこの合宿は男子選手6名、女子選手10名で開催された。
主な目的は基本的な技術・知識の習得、そして基礎体力の向上だ。
各種目における技術のレベルアップはもちろん、映像のフィードバックによる自己観察、JISSの協力を得て栄養に関するレクチャー、日常生活におけるコンディションチェックなども行い選手へのヒントを与えてゆく。

今回の合宿においては2つの新たなエッセンスを加えた。。
1つ目はほぼ同日程で合宿を行っているパラトライアスロンチームとの交流。
トレーニングは別だが、食事やレクチャーは一緒。
情報交換、情報共有を図った。
そしてもう1つ。
日本自転車競技連盟(以下、JCFと略)のジュニア女子強化選手3名との合同合宿。
お互いの技術向上、意識向上のため日程を併せて開催することになった。
JCF柿木コーチの柔軟な発想のもと協力体制を築くことに成功した。

実際にトレーニングを一緒に行ってみると技術の違いを見せつけられた。
JCF強化選手のうち1名はU15トライアスロン選手権で優勝経験のある選手。
当時からバイクは強かったが、それほど高い技術は持ち合わせていなかった。
しかしながら今回はJTUの選手たちよりも高い技術を見せつけた。
繰り返し細やかな技術練習をしてきたことが一目瞭然。
また彼女は様々な技術トレーニングにおいて手本を見せてくれた。
トライアスロン選手には更なる技術練習が必要であることを感じさせた。
JCFジュニア強化選手の技術はトライアスロン女子、男子選手と比較しても明らかに高かったのだ。
安全面を最重視してトレーニングをしいてゆくためには、今回のような技術練習は必要不可欠だろう。

もちろんトライアスロン選手でも器用な選手はいる。
だが自転車競技を経験したいる選手ほど高い技術を有していることは一目瞭然だった。
この技術練習はどんな場面で有効なのか。
この技術を習得すればどんなアクシデントに対応できるのか。
具体的にイメージして選手は取り組むことができるからだ。
高速化、高度化するトライアスロン競技のバイクパート。
世界レベルから離されないためには自転車レベルの向上は必要不可欠だ。

パラチップス
【写真1】
ポテトチップは好きですか?
パラリンピック選手のカード付ポテトチップス。
表紙の絵も恰好良い。
残念ながら非売品。
 
 

集団走行
【写真2】
JCF&JTU合同合宿、できれば今後も定期的に実施したいと考える。
この写真は「選手同士ができるだけ接近してコンパクトな集団で走る」練習。
大切なことは一緒に走る選手同士のコミュニケーションだ。

中山俊行プロフィール


中山俊行(なかやま としゆき)

1962年生まれ
日本にトライアスロンが初めて紹介された18歳のときトライアスロンを始める。
日本人プロ第1号として、引退までの間、長年に渡りトップ選手として活躍。
引退後も全日本ナショナルチーム監督、チームNTT監督を歴任するなど、日本のトライアスロン界をその黎明期からリードし続けてきた「ミスタートライアスロン」。

【主な戦績など】
第1回、第2回 宮古島トライアスロン優勝
第1回、第2回 天草国際トライアスロン優勝
1989年から8年連続ITU世界選手権日本代表
アイアンマン世界選手権(ハワイ・コナ)最高順位17位(日本歴代2位)
初代・全日本ナショナルチーム監督
元・チームNTT監督
元・明治大学体育会自転車部監督

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