JOCでは選手強化のみならず、公式スタッフに対して様々な教育を行っている。
時代の変化と共に指導者も変わっていかなければならない。
もちろん変わってはならない部分もある。
会議、講習、ミーティングと呼び名は様々だが、このような集まりは他競技の指導者に会う良い機会でもある。
聞きたい情報を得られることは大きなメリットだ。
出席する指導者も現場コーチ、マネージャー、情報医科学委員など様々だ。
結果が出ている競技団体。
結果が出ていない競技団体。
どちらの競技団体であろうと指導者の苦労は変わらない。
選手を強くするために多くを学び、多くのことに挑戦を続けている。
JOCナショナルコーチアカデミーは「学ぶことをやめたら、教えることをやめなければならない」というロジェ・ルメール氏(サッカー元フランス代表監督)の言葉からスタートする。
時として他競技団体のトップコーチの発言を聞けることもある。
個々の指導者の話を聞くための時間は多くはないが、短いコメントの中にとても大切なものが含まれている。
先日の会議では一言でありながら、ガツンと響く重い言葉を聞いた。
それがタイトルの「命賭けなアカン」という言葉だ。
選手が命かけて戦っているのだから、指導者だって命賭けなきゃ。
そうでなければ選手は指導者の言うことなど聴きはしない、とのこと。
この発言をしたのは世界に誇る日本の名コーチ「井村雅代」氏。
今までも井村コーチの書籍を読んだり講習会を聞いたりしてはいたが、直接聞いたそのコメントは久しぶりに効いた。
本当にスゲーなこの人。
他にも優秀なコーチはたくさん居る。
年上、年下など関係ない。
優秀なコーチは優秀なのだ。
それは立ち居、振る舞い、僅かな一言でも判る。
残念ながら私はまだその領域には遠く及ばない。
現役選手時代に目指した世界最強の座と似ている。
今は、全く歯が立たない。
だから目標として目指すことが楽しい。
ホンモノの指導者と胸を張れる日が来るかどうか判らないが、偉大なる目標に向かって突き進むことだけが近づく方法だ。
【写真1】
メカの進化&変化も著しい。
常識が変わってしまうような機材も時々現れる。
オリンピック競技には使用できないが、とても面白い。
スーパーバイクだ。
【写真2】
2019年に向けての戦いはスタート。
強化B、C指定選手がワールドカップへ出場するためには、この強化記録会をクリアしなければならない。
スイム800mとラン5000mの合計タイムが男子は24分29秒、女子27分32秒。
このタイムがクリアできないようではワールドカップで勝負できない。
世界シリーズなら完走すらできない。
中山俊行プロフィール
中山俊行(なかやま としゆき)
1962年生まれ
日本にトライアスロンが初めて紹介された18歳のときトライアスロンを始める。
日本人プロ第1号として、引退までの間、長年に渡りトップ選手として活躍。
引退後も全日本ナショナルチーム監督、チームNTT監督を歴任するなど、日本のトライアスロン界をその黎明期からリードし続けてきた「ミスタートライアスロン」。
【主な戦績など】
第1回、第2回 宮古島トライアスロン優勝
第1回、第2回 天草国際トライアスロン優勝
1989年から8年連続ITU世界選手権日本代表
アイアンマン世界選手権(ハワイ・コナ)最高順位17位(日本歴代2位)
初代・全日本ナショナルチーム監督
元・チームNTT監督
元・明治大学体育会自転車部監督