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第144回コラム 「BIKEの知識と注意事項」

2018年も新たなモデルが続々と登場。
カタログを見ているだけで楽しくなる。
自転車購入を検討している選手にとっては楽しい時間。
でも多くのバイクが非常に高額になってしまっているのは残念だ。

さて皆さんはどんな基準でバイクを選ぶのだろうか?
ブランドに惹かれて?
色が気に入ったから?
デザインが良いから?
軽いから?
性能が良さそうだから?

前に書いたようにバイクは自分の命を乗せて走るパートナー。
「気に入っている」ことに優先順位があっても良いと思う。

だがエリートであればそれだけで選ぶことは禁物だ。
自身の実力を生かせるバイクであることが重要。
サイズのみならず、固さ、しなり、ダッシュ重視、巡航重視、旋回力重視、直進力重視など自分の特性を生かし、苦手な部分をサポートしてくれることを考えて選ばなければならない。

更にもう一つ重要なことがある。
それは整備性の良さだ。
各ブランドが競り合って独自の特色を出そうとした結果、ブランドごとに部品の規格やサイズ、互換性が異なってしまった。
これに伴い整備をするための工具もブランドごとに異なってしまった。
昔のように共通の工具で全てをカバーすることができない。
そのためレースの時、大会会場までバイクを運搬し、組み立てようとしたときに故障や破損が発生すると、そのブランド専用の工具が必要となってくる。

国外はもとより国内であっても大会でメカトラが発生した場合、全てのバイクショップで対応できるとは限らない。
それはバイクショップの腕が悪いという意味ではない。
専用工具を全てのブランドで揃えることは難しいという意味だ。
更にショップは取引のあるブランドしか扱えない場合が多く、自身の扱えるブランド以外の故障や整備には対応できない。

だから自分自身で対応できるバイクを購入する必要が出てくる。
そして遠征時には自分の自転車専用のスペアパーツや工具を持参する必要がある。
特に簡単に曲がってしまうディレイラーエンドは各選手が自身で準備をする必要がある。
なんでもバイクショップ頼り、大会メカニック便り、他人任せでは大会に参加できなくなる事態が発生する可能性があるのだ。
高額なバイクを購入するのであれば、それをメンテナンスできる術も一緒に学ばなければならない。
親任せ、バイクショップ任せではダメなのだ。
自立すること、自分でできる部分は自分で整備する。
それがエリート、エイジエリート、ジュニアエリートに求められる第一歩だ。
これができないのであればエリートと名乗る資格などない。

ダフィーバイク1804
【写真1】
2018年4月、WTSバミューダでお披露目されたF.ダフィーのバイク。
トロピカルカラーの美しいバイク。
ブレーキはディスクブレーキが付いている。
まだ課題のあるディスクブレーキだがメカニックが常時対応してくれるトップ選手だから安心して最新機材を使用できる。

ビッグプーリー
【写真2】
ビッグプーリー。
チェーンの抵抗を減らし回転効率を高める部品。
30年前から同じような部品が出てきては消え、消えては再燃する。
利点と欠点を理解した上で使用する必要がある。

中山俊行プロフィール


中山俊行(なかやま としゆき)

1962年生まれ
日本にトライアスロンが初めて紹介された18歳のときトライアスロンを始める。
日本人プロ第1号として、引退までの間、長年に渡りトップ選手として活躍。
引退後も全日本ナショナルチーム監督、チームNTT監督を歴任するなど、日本のトライアスロン界をその黎明期からリードし続けてきた「ミスタートライアスロン」。

【主な戦績など】
第1回、第2回 宮古島トライアスロン優勝
第1回、第2回 天草国際トライアスロン優勝
1989年から8年連続ITU世界選手権日本代表
アイアンマン世界選手権(ハワイ・コナ)最高順位17位(日本歴代2位)
初代・全日本ナショナルチーム監督
元・チームNTT監督
元・明治大学体育会自転車部監督

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