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第136回コラム 「指導者の必要性」

「馬鹿な指導者が、馬鹿な選手を育てる。」
私の先生ともいうべき方から頂いた言葉だ。
優秀な選手を育成したいのであれば自身が優秀な指導者になれ、という激励の言葉。
JOCでも「選手育成が先か、指導者育成が先か」の問いに対して明確に「指導者」という回答を出している。
但し、この指導者というワードの前には「優秀な」という修飾語が付けられる。

世界を目指す選手の育成は、完全な職人技であり、確かにこれが最も難しい。
だが、それを実行するためにはジュニア期を含め、そこに到達するまでの育成過程における指導が重要だ。
育成過程(ジュニア期)においてしっかりと心の指導を受けた選手とそうでない選手はエリートで戦うことになったとき大きな差が生じてしまう。
U23合宿においてはもっと専門的な、ハイレベルな指導を行いたいという希望がある。
だが現実は「挨拶」「感謝の気持ち、謙虚な心」、技術面においては各種目の基本といったレベルからなかなかステップアップできていない。

指導だけでは食べられない、という現実も理解しながら、「指導者」という職業を夢のあるものにしてゆく必要がある。
そのため各地域で優秀な指導者を育成すべく協力が必要になってくる。
前回のコラム写真に紹介した近畿ブロックにおいてはいち早く指導者養成に取り掛かってくれている。
他ブロックの方々にも協力をお願いしたいところだ。

第104回のコラムにも指導者について書いたがここでも改めて伝えたい。
自身の指導を振り返り参考としてほしい。
・先走る → 選手を壊し、燃え尽きさせる
・選手のレベルアップについてゆけない → 勉強不足
・選手を囲いたがる → 自身の指導に自信がない
・選手離れができない → 指導者が精神的の幼い
・自分が前に出たがる → 選手を自分の売名道具とし使う
・格好だけ → 過去の大したことない実績だけで指導者のマネをする
・自身の能力を把握していない → 資質不足
・厳しい言葉が掛けられない → 選手に嫌われたくない弱気
・自己の利益のみを考える → 公平な視線が持てない
・自身の言葉に軸がない → 思い付きの指導しかできない
・言動が一致しない → 自分の言動に信念がない

誰のための指導なのか、何のための指導なのか。
次の5つのワードは私の考える指導者に必須の項目だ。
1.不動の信念
2.人間性
3.感謝の気持ち、謙虚な心
4.飽くなき探求心
5.身体的、精神的な強さ

自分ができているのかどうか。
それは自身の態度で示してゆくしかない。

 
TRI-X  近畿ブロック講演「感謝の気持ちと謙虚な心をもつ」
この意味を理解して取り組まなければ「強い選手」になどなれはしない。
近畿ブロック拡大協議会での講演。

 
FTU認定記録会JTU認定記録会(福岡)は素晴らしいプールで開催。
記録会終了後には女性指導者向けの講習会を実施した。
選手、保護者も参加してくれ大いに興味を持ってくれていることを感じた。

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