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第21回「歯車の噛み合うとき」 

ナショナルチーム合宿に行ってきた。場所はグァム島。宿舎は素晴らしい。天候も暖かい。けど雨が多く、路面がスリッピーなためにBIKE練習は思ったほどできない。
2008年北京五輪に向けて第1回ナショナルチーム合宿はスタートした。

その中身は・・・JTUのHPにも選手が毎日コメントを載せているので読んでほしい。才能ある若手選手、歴戦を経たベテラン選手の混ざり合う様々な可能性を秘めた選手構成。
トライアスロンに20年以上関わり、今だローカルレースに参加し現場の空気を良く知るコーチ陣。種目こそ違えど、五輪で2回も金メダルを獲得するという快挙を成し遂げた強化本部長。
その構成メンバーから判断すれば、世界の頂点を目指すことは決して夢物語ではない。

しかし、スタートしたばかりのナショナルチームには課題が山積み。トップの方針が明確化していない。各選手の個別的な特性の違い、得意不得意の違い、コーチ陣の指導方法の違い、体調の波の違い。解決すべき問題はまだまだある。このナショナルチームがどこまで正式に機能するかは未知数だ。
残念ながら、まだこのチームには「核」がない。

「北京でメダルを!」
それがトライアスロン界の悲願かどうかは判らない。一般のトライアスリートには全く関係ない話かもしれない。
しかし競技としてトライアスロンに取り組む選手にとっては間違いなく最大の目標である。
私もそれを目標に競技をしていたのだから良く判る。世界の頂点から見える風景はどんな景色だろう。それは頂点に立ったものしか判らない。

有能な選手に有能なスタッフ。これらの歯車が噛み合うか否か。それによって北京五輪、そしてその先のロンドン五輪での結果は見えてくる。同じ目標を持った者同士。目標に向かって全力で走ってゆきたい。

写真1:
東海大学水泳部コーチの加藤氏。北島康介選手とならぶ最強スイマー(平泳ぎ)今村元気選手のコーチでもある。私が古くからSWIM指導を仰いでいる。

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写真2:
オープンウォーターSWIM練習のためにビーチへ。明るい選手の表情を見て欲しい。

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中山俊行プロフィール

中山俊行(なかやま としゆき)
1962年生まれ
日本にトライアスロンが初めて紹介された18歳のときトライアスロンを始める。
日本人プロ第1号として、引退までの間、長年に渡りトップ選手として活躍。
引退後も全日本ナショナルチーム監督、チームNTT監督を歴任するなど、日本のトライアスロン界をその黎明期からリードし続けてきた「ミスタートライアスロン」。

【主な戦績など】
第1回、第2回 宮古島トライアスロン優勝
第1回、第2回 天草国際トライアスロン優勝

1989年から8年連続ITU世界選手権日本代表
アイアンマン世界選手権(ハワイ・コナ)最高順位17位(日本歴代2位)
初代・全日本ナショナルチーム監督
元・チームNTT監督
元・明治大学体育会自転車部監督

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