4月16日は石垣島で、23日には宮古島で、どちらも絶好の天気とはいえないまでも、沖縄らしい気候の中での戦いとなった。
さて今年の日本選手の行方はいかに・・・
石垣島では女子では庭田清美、男子では田山寛豪がその健在ぶりを示してくれた。
中西真知子がようやく第一線に戻ってきた。山本良介が昨年より一歩前進した姿を見せてくれた。
私が期待していた、平野&細田のコンビは残念ながら撃沈したが、これからもアグレッシブな戦いをどんどんしてもらいたい。
ビックリさせてくれる新人は・・・残念ながら出現しなかった。トップの選手層の薄さは悩みのタネだ。
一方、宮古島。
過酷な天気の中、男子では松丸が大きな見せ場を作ってくれた。結果としては3位に終わるが、ホンモノらしい戦いだった。しかし、このレベルまでは田村も、宮塚も、私も含め、多くの選手が辿りついている。問題はここからの道のり。
2位に入ったライバル河原と共に、ここからもう一歩抜け出してほしい。そうでなければ、「並」の強い選手で終わってしまう。
それは女子優勝者の塩野絵美も同様。明らかに昨年よりレベルアップしている。この実力を世界の場で証明していってほしい。今泉奈緒美というライバルと共に。
ショートの選手である田山や益田の粘りは嬉しかった。ショートの選手がロングで戦うと明らかに一回り精神面が大きくなれる。「強さ」が身に付く。
ロングの選手はスピードが遅くとも強さがある。ショートの選手は逆が多い。「強さ」を感じない選手が、オリンピックで勝てるはずがない。
それにしても7位の濱野選手の強さには驚かされる。ビジネスアスリートでありながら、この順位。プロ的な選手達と真っ向から勝負して、この結果。
その「強さ」「しぶとさ」「信念」、こういう部分を、プロを目指す選手には見習ってほしい。
「なぜ、トライアスロンをするのか」
この質問に明確に答えられない選手はロングでは通用しない。
それこそが「意志力」。そして、それがレースでの「原動力」となるのだ!!
オリンピックを目指す選手にとっても同じこと。技術ばかりに走らないで、自分の心の根っこの部分を見つめ直してほしい。
さて、2006年はどんな戦いをみせてくれるか。ひいきの選手を応援していこう。
(写真1)
宮古島はRUNのとき以外は太陽が顔をみせなかった。それでも美しい風景。島と島をつなぐ橋の上では風との戦いだ!
(写真2)
今月末に空手仲間と駅伝に挑戦する。このTシャツを着て! ロゴ逆はわざと。
中山俊行プロフィール
中山俊行(なかやま としゆき)
1962年生まれ
日本にトライアスロンが初めて紹介された18歳のときトライアスロンを始める。
日本人プロ第1号として、引退までの間、長年に渡りトップ選手として活躍。
引退後も全日本ナショナルチーム監督、チームNTT監督を歴任するなど、日本のトライアスロン界をその黎明期からリードし続けてきた「ミスタートライアスロン」。
【主な戦績など】
第1回、第2回 宮古島トライアスロン優勝
第1回、第2回 天草国際トライアスロン優勝
1989年から8年連続ITU世界選手権日本代表
アイアンマン世界選手権(ハワイ・コナ)最高順位17位(日本歴代2位)
初代・全日本ナショナルチーム監督
元・チームNTT監督
元・明治大学体育会自転車部監督