女子は王者・庭田清美を先頭に、関根明子、中西真知子といったベテラン勢に、上田藍、田中敬子といった新しい勢力が挑む。更には昨年U23から台頭してきた、足立真梨子、井出樹里、崎本智子などが最後の勝負を賭けて挑む。もちろんここに名前を挙げなかったが可能性の高い選手もまだまだ存在する。誰が代表の座に近づくのか期待を込めて見てゆきたい。
男子は苦しい状況であることは変わらない。この冬に個々の選手がどれだけ成長できるか期待したい。王者・田山が独走しているが、これにストップを掛ける選手が存在しなければ日本の未来は暗い。最右翼の山本良介に期待が掛かる。その後ろには細田、高濱、杉本などが追走する。平野の復活にも期待したいところだ。しかし現状、男子はワールドカップに参加することすら難しいほど厳しい状況に追いやられている。
しかし「五輪参加」を目標にしている選手には代表になってほしくない。我々は、北京で「勝てる選手」「戦える選手」を選考したい。多くのケースで「代表になること」で燃え尽きてしまい、「五輪でメダルを目指して戦う」レベルまで達していない。シドニー、アテネと過去2回の反省も含めて、本当に戦う選手を代表として送り込みたいものだ。今回はそれを可能にする選手が揃っている。
今回は実名をあげてコラムを書かせてもらった。名前を載せた選手に対する期待は大きい。もちらん敢えてこの場で名前を挙げていないが個人的に期待の大きい選手も何名か存在する。
選手が強くなること、イコール、トライアスロンが普及すること、ではないだろうが、このスポーツに係わる者として「世界で戦う選手」を応援してあげてほしい。
積み重ねた練習だけが、その選手を鍛え上げる。魂を作り上げる。
魂を込めて練習を積み重ねた者には、決して挫けることのない真の強さが身に付いている。
例えどれだけハードなトレーニングをしたとしても、技術だけ、タイムだけを優先したトレーニングだけをしてきた選手には本当の強は身に付いていない。
各選手がどれだけ自分を燃やしてこのオフを過ごしてきたか。間もなく、その答えが白日の下にさらされる。
暖かくも厳しい目で応援する選手を見守ってあげて欲しい。
仕事をしながらでも「戦う選手」になることはできる。全日本レベルで戦う自転車選手2名。右の中川康二郎は自転車界のみならずトライアスロン界でも知られた選手。新たに指導も始めたらしい。
http://www.nakagawakojiro.com/ BIKE強化を図るなら相談すると良いだろう。
この怖そうな方々は全てプロ挌闘家(当然、私を除く)。仕事をしながらトレーニングを積み試合に参戦する。掃いて捨てるほど多くの選手が存在する厳しい世界で生き残りを賭ける。
「プロ」と名乗れたとしても、そこから先が本当の勝負だ!
中山俊行プロフィール
中山俊行(なかやま としゆき)
1962年生まれ
日本にトライアスロンが初めて紹介された18歳のときトライアスロンを始める。
日本人プロ第1号として、引退までの間、長年に渡りトップ選手として活躍。
引退後も全日本ナショナルチーム監督、チームNTT監督を歴任するなど、日本の
トライアスロン界をその黎明期からリードし続けてきた「ミスタート ライアス
ロン」。
【主な戦績など】
第1回、第2回 宮古島トライアスロン優勝
第1回、第2回 天草国際トライアスロン優勝
1989年から8年連続ITU世界選手権日本代表
アイアンマン世界選手権(ハワイ・コナ)最高順位17位(日本歴代2位)
初代・全日本ナショナルチーム監督
元・チームNTT監督
元・明治大学体育会自転車部監督