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第52回「強化方針と理念」 

<JTU強化本部理念>
私たちは、トップアスリートだけを目指すのではなく、一人の人間として誰からも尊敬されるスポーツマンを目指す。

何を今さら???
判りきったことを、なぜ今頃?
こんなことも今まで決まっていなかったの?
疑問は次々と出てくるだろう。
そう!! こんな基本的なことすら、今まで決めることができなかったのだ。

しかし3回目のオリンピックを目の前にして、やっと、トライアスリートによるトライアスリートのための正常な強化本部がスタートしたのだ。
もっともスタートしたばかりで難問は山積みだ。機能するにはまだ時間も掛かるし多くのトライアスリートの協力が必要だ。

その具体的な第一歩の目標として「オリンピックでのメダル獲得、少なくとも入賞」を掲げて進めてゆく。
同時に「他の選手から、尊敬される選手」を育成することを目指す。
どちらも難しい課題ではあるが、王道を進む選手であればクリアできる。見せ掛けだけの強い選手は不要という意味でもある。
本当に強い選手は他の選手からも信頼され、ジュニア選手にとっても憧れとなっているはず。実名は挙げないが、そういう選手は数名であるが確実に存在する。

真の意味で「強い選手」を育てるための手伝いをし、支えてゆくことが強化本部の役割であろう。
強くなるのはあくまで選手自身。主役が「選手」であることも忘れてはならない。

以前のコラムでも書いたことがある。
「ホンモノは誰だ?」。
その「ホンモノのトライアスリート」を目指して欲しい。
49私が修行をする「大道塾」にも道場訓(理念)がある。稽古後には必ず全員で唱和する。前時代的ではあるかもしれないが重要なことだ。
49_2人類が自己の利益のみを追求してきた結果が「地球温暖化」という人類存続に係わる問題を引き起こしている。12月にも係わらず富士山が真っ白になっていない。驕れる者久しからず。

中山俊行プロフィール

中山俊行(なかやま としゆき)
1962年生まれ
日本にトライアスロンが初めて紹介された18歳のときトライアスロンを始める。
日本人プロ第1号として、引退までの間、長年に渡りトップ選手として活躍。
引退後も全日本ナショナルチーム監督、チームNTT監督を歴任するなど、日本の
トライアスロン界をその黎明期からリードし続けてきた「ミスタート ライアス
ロン」。

【主な戦績など】
第1回、第2回 宮古島トライアスロン優勝
第1回、第2回 天草国際トライアスロン優勝

1989年から8年連続ITU世界選手権日本代表
アイアンマン世界選手権(ハワイ・コナ)最高順位17位(日本歴代2位)
初代・全日本ナショナルチーム監督
元・チームNTT監督
元・明治大学体育会自転車部監督

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