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第58回「決定!!日本代表」

8月に開催される北京オリンピック。日本の看板を背負う代表選手が決定した。それぞれの選手がここに至るまで困難、試練を乗り越えてきた訳であるが、現時点で日本最強と考えられる選手が自らの力で代表権を獲得した。あとは、それぞれの選手が自分の力を出し切って戦ってくれることを願うだけだ。

メダル獲得を目指す・・・口にすることは容易だが実現することは気が遠くなるほど難しい!
しかしチャンスは突然やってくる。その突然やってくるチャンスの瞬間を逃さないことだ。
普通の人であれば、そのチャンスがきたことすら判らない「一瞬」の、その瞬間に全てを賭けてほしい。
選手達は「勝つため」に何年にも渡って、戦ってきたのだから。
「メダル獲得」は夢か現実か、、、スタッフも含めた日本トライアスロン・ナショナルチームの戦いが始まる。
『田山寛豪』。日本人初のワールドカップ優勝経験者。アテネ五輪の経験を生かしオリンピックという修羅場でどこまで覚悟を決められるか。世界で勝つことを味わった男がどう戦うか。スイムから積極的に逃げ行く勇気がメダルへの可能性を広げる。

『山本良介』。08年アジア選手権で優勝し最後のチャンスをモノにした。「オリンピックでは結果だけを評価してくれ」という強気の発言を見届けたい。どん底から這い上がってきた者の強さを見せて欲しい。

『上田藍』。08年アジア選手権で並み居るランナーを追い抜き優勝。そのときの走りは周囲の関係者をも驚愕させる走りだった。トレーニングを苦しいとは感じない強さと、素晴らしい笑顔が武器。あの笑顔こそがメダル獲得には絶対不可欠な「天運」をも引っ張り込む。

『井出樹里』。勝つこと、速くなること、強くなること、そのためであれば24時間の全てを注ぎ込む熱い情熱を持っている。その熱き想いを空回りさせることなくレースに100%ぶつけることができたときには「頂点」すら見えてくる。

『庭田清美』。2000年シドニー、2004年アテネに続く 3度目の出場を果たす。身体的な強さ、精神的な強さ、技術的な巧さ、そういったものを乗り越えて世界と戦う実績は、まさに「トライアスロンが強い選手」。彼女の走りは日本人の可能性を示してくるかもしれない。「達人」はどこまで辿り着けるのか。

北京オリンピック・トライアスロンは 8月18日(女子)、19日(男子)に開催される。日本中の全トライアスリートに注目してもらいたい。それほど期待できる選手が揃った。
ナショナルチームの活躍を見守ってほしい。

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左・山本良介、右・田山寛豪。「オリンピックへの想い」が最も強い2名が選ばれるべくして選ばれた。チームケンズ飯島監督の言葉だ。

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左・庭田清美、右・上田藍。現在、庭田はオーストラリアで活動しているが、かつては山根コーチ率いるITC出身の選手。過去と現在の山根イズムを引き継ぐ2名がチームメイトとして北京に挑む。

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井出樹里。女子3名の代表の中では最もキャリアが短い。しかし世界においては、既に彼女のRUNは警戒の対象となっている。飯島健二郎の魂を背負って世界に挑む。

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八尾、飯島、山根のナショナルチーム・コーチ陣。選手だけではなく指導するサイドも、キャリアは十分だ。それぞれのコーチの個性を継承した弟子達がどこまで戦えるか。期待は大きい。

 

中山俊行プロフィール

中山俊行(なかやま としゆき)
1962年生まれ
日本にトライアスロンが初めて紹介された18歳のときトライアスロンを始める。
日本人プロ第1号として、引退までの間、長年に渡りトップ選手として活躍。
引退後も全日本ナショナルチーム監督、チームNTT監督を歴任するなど、日本の
トライアスロン界をその黎明期からリードし続けてきた「ミスタート ライアス
ロン」。

【主な戦績など】
第1回、第2回 宮古島トライアスロン優勝
第1回、第2回 天草国際トライアスロン優勝

1989年から8年連続ITU世界選手権日本代表
アイアンマン世界選手権(ハワイ・コナ)最高順位17位(日本歴代2位)
初代・全日本ナショナルチーム監督
元・チームNTT監督
元・明治大学体育会自転車部監督

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