第28回の宮古島大会は最高気温28℃、最高湿度91%という厳しい条件下でのレースとなった。日本人1位となった西内洋行選手はレース翌日の記者会見で「10年間出場してきたが一番の暑さだった」とコメント。完走率も83.7%と例年になく低かった。スイムは東急リゾートホテル前の白い砂浜の舞浜ビーチを7時にスタートし、3キロを三角形に泳いで戻ってくるコース。波は静かだったが、今年は例年と異なり、往路は逆潮だったようだ。バイクは島を1周半回るコース。島と海の美しい景色を存分に楽しめるようになっているが、山はなくてもアップダウンと海からの強い風が吹く宮古島は、バイク好きな選手たちにもタフなコースといわれている。とくにコース後半のイムギャーにある上り坂は、激坂ではないが踏ん張りどころ。現在、宮古島と伊良部島をつなぐ橋が建設中で、完成後のバイクコースは変わるのではないかという噂も聞かれる。ランはライバルや友人との差がわかる折り返しのコースだ。エイジが送った声援にエリートが手をあげて応える場面は、トライアスロンという競技の温かさを感じられる。今年は折り返してからの追い風が選手にとっては無風状態となり、体温が下がらず脱水を起こして棄権する選手も多かった。体が暑さに慣れる前のシーズン始めは、体調管理だけではどうにもならないこともあると思った。2012年の参加選手は1470名で、ボランティアは5000名。日陰もないランの35キロ過ぎで頑張っていたボランティアの子どもたちは、「体を冷やしてくださいー」と叫び、選手にコーラを渡していた。自分の体ほどもあるゴミ袋を下げた別の小学生は、空いた紙コップを受け取りながら、ひとり一人に「がんばってください」と声をかけていた。「自分たちも大会を支えている一員なのだ」という誇りのようなものが伝わってきて、今年も無事に開催されてよかったと思った瞬間だった。 |
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トップ集団を見送ってからゆっくりスタートする人たち。「逆潮? みんな同じだからね |
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スイムアップして白い砂浜を走る。仲間の声で顔をあげてにっこりする人、ポーズをとる人も。 |
応援バスツアー58キロ地点。急坂を登りきると、バスツアー5台分の応援が待っている。 |
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