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第107回コラム 「何はなくとも認定記録会」

間もなく2013年が終了。
年が明ければソチ・オリンピック。
冬季競技者の戦いが始まる。
フィギュアスケート、スピードスケート、スキー競技、カーリング、アイスホッケーなど興味ある種目も数多い。
チームJAPANがどのような戦いを魅せるか期待したい。

さて一方、トライアスリートにとって冬はトレーニングシーズン。
冬はお休みではない。
シーズン中に実施することが難しいトレーニングに、じっくり取り組める貴重な期間。
また故障を抱える選手にとっては完治させる絶好のチャンス。
この期間を上手に使うことがシーズンでの成績を左右する。

さて今年で16年目を迎えるJTU認定記録会。
SWIMとRUNだけの記録会のためBIKEレベルに疑問を投げかけるものの、過去の認定記録会トップ20ランカーは全て日本の有力選手だった。
解決すべき問題はあるけれど、この認定記録会が重要であることは紛れもない事実。
なので、ここでの記録が国際レースへの出場権を掛けた第一歩となる。

記録は出せていないけど海外で活躍するチャンスが欲しい。
基準はクリアしていないけど参加枠があるのだったらレースに参加させてほしい。
気持ちは判らなくないけれど「通用しない」と判り切った選手を簡単に出場させる訳にはいかない。
出場させれば選手にも指導者にも「甘え」が生じる。
そして「甘え」は選手のレベル低下を招く。
欲しいものがあるのであれば実力で奪い取るしかない。

SWIM、RUNの日本選手権の記録を基準として作られるJTU標準記録。
競泳、陸上競技のレベルが上がれば認定記録会の基準も上がる。
来年に向けて見直しが行われた。
選手にとっては大変なハードルであるが、「オリンピックを目指す」のであればハードルは超えて当たり前。
まずは認定記録会において基準をクリアしてほしい。
大学生アスリートには、エリートを目指すのであれば認定記録会に出場することが最初のステップとなることを認識してほしい。

新たなタレントの出現を期待する。


陸上競技のジュニアオリンピックに出場するトライアスリート(左・杉原有紀)。
久保埜南(右)は都道府県駅伝に出場した経歴を持つ。
単一種目で戦えることも大切だ。



広島県自転車競技連盟がジュニア強化のために開催している「もみじロードレース」。
1994年にアジア大会が開催されたときのコースを使用する。
中高生混合、男女混合の興味深いレースだ。
女子は枝光美奈が優勝(写真・中央)。
トライアスリートの積極的な参加を期待する。

IMG_20131123_もみじロード

中山俊行プロフィール

中山俊行(なかやま としゆき)
1962年生まれ
日本にトライアスロンが初めて紹介された18歳のときトライアスロンを始める。
日本人プロ第1号として、引退までの間、長年に渡りトップ選手として活躍。
引退後も全日本ナショナルチーム監督、チームNTT監督を歴任するなど、日本のトライアスロン界をその黎明期からリードし続けてきた「ミスタートライアスロン」。

【主な戦績など】
第1回、第2回 宮古島トライアスロン優勝
第1回、第2回 天草国際トライアスロン優勝

1989年から8年連続ITU世界選手権日本代表
アイアンマン世界選手権(ハワイ・コナ)最高順位17位(日本歴代2位)
初代・全日本ナショナルチーム監督
元・チームNTT監督
元・明治大学体育会自転車部監督

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